携帯端末使用特性
携帯端末はデスクトップ用の端末に比べて画面のサイズが小さく,また持ち運んで使うため持ち方や環境の影響も受けやすい特徴があります。当研究室では携帯端末を使用するときの使い方を調べることで最適なインタフェースの設計の研究に取り組んでいます。
これまでに以下のテーマに取り組んできました。
タッチパネル搭載端末での読書における視線および操作の特徴把握
最近増えてきている電子書籍などを携帯端末で閲覧するときの視線と操作の特徴をまとめました.
概要
本研究では、実験室で読書用アプリを用いた操作を観察することにより、ブックリーダー・電子書籍アプリ使用時におけるインタフェースの使い方及び視線を調査した。「ページ移動時の視線」「持ち方・サイズ」「習熟度への対応」「搭載インタフェース」の4つのポイントを考慮することにより、よりよいアプリ提供やインタフェース提案ができると考える。ページ移動時の視線では、進行方向もしくはページ上半分を見る傾向があることから、移動スピードによってはその部分にページの概要を表示する等の工夫を行うのがよい。持ち方・サイズでは大きさや持ち方で操作に不便が生じないような画面設計に配慮するのがよい。習熟度への対応では経験差によってページ移動時の視線位置や使用インタフェースに違いがあることから、表示や操作方法を固定するのではなくいくつかのパターンを用意するのがよい。同様の理由により搭載インタフェースは1つに限定すべきではなく、複数に対応することによってよりストレスの少ない操作が可能になると考える。
成果発表
本研究成果の一部は人間工学会学会誌において論文発表いたしました.
「タッチパネルディスプレイを用いた戻り読みにおける操作と注視パターンの関係」,人間工学 Vol.51 No.2 pp.131-140 (2015)(研究業績)
本研究成果は人類働態学会第48回全国大会で発表いたしました.発表した高島実穂さんは優秀発表賞を受賞しました.
発表中の様子
表彰式(高島さん:左から2人目)
- 人類働態学会
- 人類働態学会第48回全国大会号(pp.37-40に掲載)
タッチパネル搭載モバイル端末に対するユーザビリティ評価のための注視点分析法
携帯端末使用時の視線を調べるためのツールを開発しました.詳細はアイトラッキングを用いたユーザビリティ評価のページに記載しています.
タッチパネル搭載モバイル機器のサイズに応じた使用特性把握
この研究では機器のサイズに応じて持ち方がどのように異なるかを,利き手による変化に注目して分析しました.