アイトラッキングを利用したWebユーザビリティに関する研究
当研究室ではアイトラッカを用いてソフトウェア(Web、ユーザインタフェース)のユーザビリティに関する研究を行っています。ここではWebユーザビリティに関する取り組みをご紹介します。
Webのユーザビリティを評価することはもちろん、評価を支援するソフトウェアの開発、ユーザビリティを向上させるための視線を利用したインタフェース技術の開発も行っています。特徴として従来眼球運動を用いて画面の評価を行う場合、コンテンツとの対応付けは静的な画面であれば自動処理可能でしたが、当研究室ではページ遷移、スクロールが生じても自動処理可能な技術を開発しました。当初はナックイメージテクノロジー社製のEMR-NL8B専用でしたが、自由度の高い非接触タイプのアイトラッカTobii X120用が利用可能となりましたので、X120用のツールを開発しました(動作確認はできていませんがX60にも対応)。
アイトラッキングを用いたWebユーザビリティ評価技術の開発
アイトラッカを用いたGUI、Webのユーザビリティ評価方法の研究も行っています。現在開発している評価方法の特徴として、静的な画面レイアウトだけではなく、動的にページ構成が変化するインタフェース(代表的なものとしてはウェブ)に対応可能な点があります。
Webのユーザビリティに関して日本生理人類学会55回大会にて発表いたしました。WebユーザビリティについてはWebデザインチェックリストをご覧いただけます。
本研究は「アイトラッキングを利用した製品の認知的ユーザビリティ評価の定量化」という事業名で、平成19年度和歌山大学「オンリー・ワン創成プロジェクト」(若手研究)の支援を受けました。
ウェブコンテンツに自動的に視線情報を対応づけた分析を可能にする方法を開発しました。
研究紹介動画
メディアデザインメジャーでの研究紹介用に作成した「視線を用いた使いやすさの検討」を紹介する動画です.
参考資料
- ウェブサイトのユーザビリティ評価のための視線分析方法(ヒューマンインタフェース学会論文誌,Vol.16, No.4, pp293-302, 2014)
- 視線と閲覧ログを活用したウェブサイトのユーザビリティテスト方法 (平成25年度日本人間工学会関西支部大会)
- 眼球運動に基づく認知的ユーザビリティの定量評価(Seeds Index:産学連携・研究支援センター)
- ウェブのコンテンツ領域に対応したユーザビリティ評価用閲覧状況分析ツールの提案 (平成22年度日本人間工学会関西支部大会)
- ユーザビリティ評価用コンテンツ領域対応視線分析方法の開発 (HCD-NET 人間中心設計機構 第二回研究発表会(2010)にて発表)優秀講演賞受賞
- Gaze Analysis Tool for Web Usability Evaluation (HCII2011にて発表)
- ウェブページの情報構造に対応したユーザビリティ評価用視線分析方法(ヒューマンインタフェースシンポジウム2011にて発表)
- Gaze Analysis Tool for Evaluation of Web Site Usability (APCHI2012で発表)
- 情報構造対応視線分析ツールを利用したウェブサイトのユーザテスト方法(ヒューマンインタフェースシンポジウム2012にて発表)
本研究は「視対象の情報構造に基づく眼球運動分析方法の開発」という研究課題名で、平成23年度科学研究費補助金挑戦的萌芽研究(23650061)の助成を受けています。
開発した評価技術を用いたユーザビリティ評価方法の提案,上流工程での評価を想定したプロトタイピング手法なども研究しています。
アイトラッキングを用いたWebユーザビリティを改善するインタフェース
アイカメラを用いてGUI,Webのユーザビリティを改善するインタフェースの提案を行っています。ここでもコンテンツに対応付ける方法を利用しています。単純に視線をポインティングに利用する方法ではないため、視線で操作することのストレスを回避することが可能です。現在将来的な実用化を目指して携帯機器用のシステムを開発中です。
本研究は「アイトラッキングによるクライアントサイドデータに基づく意図推定システム」という事業名で、平成20年度和歌山大学「オンリー・ワン創成プロジェクト」(若手研究)の支援を受けました。
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