吉野研究室(Yoshino Lab.)(コミュニケーションデザイン研究室)|和歌山大学 システム工学部 社会情報学メジャー

支部大会奨励賞:吉田結花さん(大学院2年)

論文名:「クラウドソーシングを用いた食品ロスに関する調査と分析」

学会名等:2020年度 情報処理学会関西支部 支部大会

受賞日:2020年9月20日

  • 論文の概要
    • 食品ロスとは,食べることができるのに,廃棄されてしまう食品のことである. 食品ロスは,使用・提供されずに廃棄される「直接破棄」「食べ残し」,調理の際に皮やヘタを必要以上に捨ててしまう「過剰除去」の3種類に分類することができる.2019年の食品廃棄物の内612万tが食品ロスであった 本研究は,食品ロス削減の可能性を発見するために食品ロスの中でも「直接廃棄」に注目した. 直接廃棄は,何らかの意図があって購入したにも関わらず,1度も使用せずに廃棄されてしまうことである. 本研究では,買いすぎてしまい消費できない原因は,予定のない食品の購入していることではないかと考え,「見切り品」に注目した. 見切り品とは,消費・賞味期限が迫っている売れ残りの食品を廃棄しないために,通常の価格より値段を下げて販売している食品のことである. 本研究は,値段を下げた商品の販売が,消費者の予定外の食品の購入につながっており,食品ロスの増加の要因になっているのではないかと考えた. そこで,我々は「食品の見切りが,消費者の予定のない購入につながり,家庭の食品ロスが増加する」という仮説を立て,食品ロスの減少の可能性を見つけることを目的とし,POSデータの分析や食品ロスや見切り品に対する消費者の意識調査を行うためにアンケート調査を実施している. しかし,POSデータの分析や意識調査だけでは,家庭で実際にどのような食品が廃棄されているか分からない. そこで,本稿では家庭ではどのような食品が実際に廃棄されているのか調査するためにアンケートを実施した. 従来の食品ロスの調査は,ゴミ袋を開封したり,面接や冷蔵庫の中身の調べたり,時間と手間がかかる. そこで,今回の調査では,実際の食品廃棄について調査するために,クラウドソーシングを用いたアンケートを実施し,実際に廃棄する食品を撮影してもらった. 本稿では,実施した調査の結果と考察について述べる.
  • 発表時のスライド
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  • 発表時の様子
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