- 論文の概要
- 現在,高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として,可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の終末期まで続けることができるように, 地域包括ケアシステムの構築が推進されている. 地域包括ケアを行うためには,排尿の自立が重要であるが,入院中に低下した排尿自立の回復には時間を要する. そのため,入院中に排尿ケアが完結することはほとんどなく,退院後の在宅でも排尿ケアを継続する必要がある. しかし,在宅医療を支える訪問介護ステーションでは,排尿アセスメント・ケアに関する一定のマニュアルを有しているのは2割にも満たない. そこで我々は,在宅の排尿ケアに関するエビデンスを構築し,高齢者の排尿自立を促すための排尿ケア支援システムを提案する. 本システムでは,在宅で排尿ケアを受ける高齢者の排尿記録を入力することで,個々の患者の状態に応じた適切な処置を提示する. システムに複雑な計算や分岐を任せることにより,マニュアルやケアの指標として有効活用されることを目指す. また,入力された情報が,後の適切な治療法とされる証拠(以下,エビデンスという)として蓄積され,今後の排尿ケアの方針を決定する上での手がかりとなることを目指す.
- 提案システムの構成
- 発表時の様子
- 受賞後の様子
優秀プレゼンテーション賞:梅本美月さん(大学院1年)
論文名:「地域在住要支援者および要介護高齢者のための排尿ケア支援システムの開発 」
学会名等:情報処理学会DICOMO2018
2018年7月6日