- 論文の概要
- 多忙な医療現場では,インシデント・アクシデント,医療事故などが発生しやすく,多くの医療施設では, その原因を調査,共有することで,インシデント・アクシデント,医療事故を防ぐ取り組みをしている. しかし,医療行為をする際に,注意すべき事項を常に意識できるとは限らない. 特に,医師が1人,もしくは医師と看護師2人といった少人数による医療行為は,即時の判断が必要であり, 手順や判断を間違えることは重大な医療ミスにつながる. そこで我々は,検査や手技の実施時に,その医療行為について,医療安全情報に基づいた, 注意すべき事項を医療従事者に提示する必要があると考え, 検査の手順やガイドなどの注意喚起情報を提示するシステムを提案した. 本システムはスマートグラスを用いたシステムであり,拡張現実を利用できることから 手技実施中の視界を妨げることを避けることができる. また,軽量なデバイスのため,長時間使用の場合でも装着する医療従事者の負担を軽減させた注意喚起情報の提示を実現できる. 本システムでは,医療機器を認識し,認識結果から実施する検査・手技を特定することで, その医療行為についての注意喚起情報をスマートグラスのディスプレイに表示する. その結果,提示された注意喚起情報により,医療従事者のインシデント・アクシデント,医療事故を防止する. 本稿では,提案するシステムの概要,医療機器の認識結果を用いた医療行為を特定する手法の評価について述べる.
- 発表中の様子
- 発表時のスライド
- 記念撮影の様子(オンライン開催のためZOOM上で撮影)
支部大会奨励賞:外山怜さん(学部4年)
論文名:「スマートグラスを用いた医療安全向上支援システムにおける医療行為特定手法の評価」
学会名等:第20回 2021年度 情報処理学会関西支部 支部大会
受賞日:2021年 9月19日
関連サイト:http://kansai.ipsj.or.jp/record/2021.html