吉野研究室(Yoshino Lab.)(コミュニケーションデザイン研究室)|和歌山大学 システム工学部 社会情報学メジャー

学生奨励賞:寺尾侑莉さん(学部4年)

論文名:「ユーザの意図を反映可能なアバターを用いたプレゼンテーション手法の提案」

学会名等:第83回情報処理学会全国大会

受賞日:2021年3月19日

関連サイト:https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html#anc1

  • 論文の概要
    • 近年,授業やビジネスなど社会の多くの場面でプレゼンテーションが利用されている. しかし,現在は感染症拡大防止のため,対面でのプレゼンテーションや授業の機会が減少し,遠隔授業や遠隔プレゼンテーションの機会が増加している. 遠隔授業や遠隔プレゼンテーションでは,ZoomやMicrosoft Teamsなどの遠隔会議システムが多く利用されており,発表者が発表スライドを画面共有する形態で,プレゼンテーションを行う. このような場合,聴衆が見ている画面には,主に発表スライド画面が表示され,発表者の姿は画面端に小さく映っているか,発表者の姿を表示していないことが多い. そのため,聴衆に発表者の姿が見えなくなることで,発表者の表情が読み取りづらくなってしまうと言われている. また,発表者の表情や態度から雰囲気を読み取ることができないため,臨場感が低くなってしまう. 対面でのプレゼンテーションでは,発表者はジェスチャーやマウスポインタなどを利用したポインティング動作,目線の動きを利用して聴衆の理解度を向上させるための強調表現を行う. しかし,遠隔プレゼンテーションでは,体の動作と目線の動きは聴衆に伝えることはできず,マウスポインタを利用したポインティング動作しか利用できない. そのため,遠隔プレゼンテーションでは,マウスポインタの動作のみで強調表現や参照を行う. 強調表現の動作として,強調箇所を丸く囲む動作や参照したい内容をなぞる動作などがあるが,マウスポインタの動作のみでは参照や強調が伝わりづらくなってしまう. このように従来の遠隔プレゼンテーションでは,発表者の動作による強調・参照が伝わりづらいことから,発表者と聴衆の間で認識のずれが起こり,発表者の意図が正しく伝わらない. そこで我々は,遠隔プレゼンテーションにおいて発表者の意図を反映可能な,アバターを用いたプレゼンテーションシステムを提案する. 本システムでは,発表者の動作をポインタとアバターに反映することで,強調表現とスライド操作を行う. アバターが発表者の代わりに強調表現を行う. アバターが発表者の強調表現の手助けを行うことを目的としている.
  • 発表時のスライド
  • 発表時のスライド
  • 発表時の様子
  • 発表時の様子