- 論文の概要
- 日本は観光大国になりつつある. 観光庁によると,訪日外国人観光客数は年々増加傾向にあり,今後も増加することが見込まれている. 一方で,日本は台風や地震といった自然災害が発生しやすい国土である. 訪日外国人観光客は,日本で災害が発生した際に,何が起きたのかを理解できない可能性があり, 日本語がわからない場合には情報の入手が困難であると考えられる. 災害発生時に的確かつ迅速な行動をとるためには,事前に日本で頻発する災害についての知識や災害時の対応策を知っておく必要がある. そこで,本研究ではクイズと漫画を用い,平常時に楽しく防災知識を学ぶことをコンセプトとしたシステムを開発してきた. 本システムの従来手法では,日本でよく発生する災害に焦点を当てた情報を提供してきた. しかし,地域ごとに頻発する災害の種類は異なり,訪問先の観光地での防災知識を知る必要があると考えられる. そこで,提案手法では,各観光地の立地に応じた防災知識を提供する. また,観光地の魅力情報も提供することで,防災支援と観光支援を目指す. 本稿では,提案手法の概要を述べる. また,実験で調査した「各観光地における防災情報の提供が,観光地の印象に負の影響を与えないか」についての結果を報告する. さらに,外国人が観光する際に必要とする情報についての調査結果および,今後の方針を述べる.
- 提案手法の概要
- 発表時の様子
- 受賞時の様子1
ベストプレゼンテーション賞:志垣沙灯子さん(大学院2年)
論文名:「クイズと漫画を用いた防災知識提供システムにおける観光地の魅力情報および防災知識提供の効果」
学会名等:グループウェアとネットワークサービスワークショップ 2019
受賞日:2019年11月15日