吉野研究室(Yoshino Lab.)(コミュニケーションデザイン研究室)|和歌山大学 システム工学部 社会情報学メジャー

支部大会奨励賞:本信敏学さん(大学院1年)

論文名:「複数空間における多空間認知可能システムの提案」

学会名等:2019年度 情報処理学会関西支部 支部大会

受賞日:2019年9月23日

  • 論文の概要
    • 近年,AR/VR市場はコンシューマー向けのエンターテイメント用途と企業向けの教育・訓練用途などがともに拡大している. 一部の企業では,働き方改革を推進するために,VRを使ったテレワークなどに対する期待が高まっている. VR会議は,複数の地点にいる人々が一つの仮想空間に集まってコミュニケーションすることを可能にした. しかし,現実世界では,それぞれの場所が独立して存在するため,1つのVR空間に複数の地点の状況を表現するのには不十分であると考えられる. 今後,1人のユーザが同時に複数の空間とつながり,別々の空間に対してやり取りを行うことが考えられる. たとえば,ユーザが職場にいながら,家庭内の状況を同時に確認するなど, 異なる空間内の状況を同時に把握することが可能となる. 従来,1つのディスプレイ内で二つ以上のアプリを同時に開くマルチウィンドウや,1つの画面を任意に分割して複数の映像を取り込むスプリット・スクリーンなどで,複数の地点や他のユーザ視点を確認してきた. また,複数地点における協調作業や学習支援システムでは,ウインドウから他の空間の様子を確認してきた. そこで本研究では,視界分割による複数空間表現システム「CompoundViewer」を開発した. VR技術を利用することで,擬似的にHMDユーザの視界を分割するように表現する. 分割された視界に異なる空間の映像を提示する. これにより,視界分割表現を用いることで,ユーザは分割された視界から,複数の空間を見ながら行動することが可能になる. また,バーチャルハンドを自分の手として使用することで,身体を自由に空間間で行き来する感覚を与える. 本稿では,複数地点にいる人々が一つのVR空間に集まってコミュニケーションする形態ではなく, 1人のユーザが同時に異なる空間にいる人と対話するシステムを提案する. これにより, 同時に複数の地点に存在できない移動の制約を解消し, 複数の空間と対話できる新しいコミュニケーション形態を実現することが可能になる.
  • 提案手法の概要
  • 提案システムの構成のスライド
  • 発表時の様子
  • 発表時の様子
  • 受賞時の様子
  • 受賞時の様子