- 論文の概要
- びまん性特発性骨増殖症(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis,以下DISH)とは,脊柱前縦靭帯が骨化し脊柱の可撓性を低下させる疾患である.DISH自体が痛みを起こすことはないが,頸椎まで骨化が進展すると,軽微な外傷で重度の脊髄損傷を引き起こす可能性がある.しかし,DISHは自覚症状がないため,患者が自ら受診することはほとんどなく,早期の発見が難しい.また,人間ドックにおいても,脊柱の画像診断は一般的な検査項目に含まれていない. しかし,救急外来受診者はその特性から,全身精査のために全脊柱CTを施行されることが多い.そのため,救急外来受診者のCT画像を利用する. 本研究では,セグメント化されラベル付けされた全脊柱CTから医療用のセマンティックセグメンテーションモデルであるU-Netを用いてDISHを検出し,自動診断する手法を提案する.自動診断を実現することで,専門家でなくとも簡便にDISHの診断が可能になる.早期にDISHを患者自身に知らせることで,転倒リスクの軽減を図り,脊髄損傷を防止することが可能になる.
- 発表中の様子1
- 発表時のスライド
支部大会奨励賞:加藤愛穂さん(学部4年)
論文名:「U-Netを用いた全脊柱CTにおけるDISHの早期発見への試み」
学会名等:2024年度 情報処理学会関西支部 支部大会
受賞日:2024年9月29日
関連サイト:https://kansai.ipsj.or.jp/record/