- 論文の概要
- 近年,XRを利用したコンテンツは多く開発されており,さらにはスタンドアロン型のVRが普及し始めるなどXRコンテンツを容易に利用できる環境が整いつつある. 最近では,コロナウイルスによる影響により外出自粛の影響下においても自宅で利用できるXRコンテンツの需要が高まっている. XRコンテンツでは,ユーザに体験を提供する観点において,没入感や臨場感という要素がとても重要なものとなっている. この没入感を増加させるという問題に対しては,様々な方面からのアプローチが行われている. また,遠隔会話ツールなどの他の空間にアクセスするコンテンツにおいては,対面環境よりも接続先に対して心理的な距離を感じてしまう問題点がある.これは,遠隔地に実際につながっているという空間接続感や同室感の欠如が原因である可能性が考えられる. そこで,本研究では,私生活など多くの場所で利用され,空間の移動を連想させることができる「ドアの開閉感」に着目した空間接続手法を提案する. 本手法では,あえて「ドアの突っかかり」を再現することで,ドアの向こう側の空間に「あたかも人がいるような感覚」の実現や「別の空間と繋がっているような感覚」の向上を目指す. 本研究では,現実においてのドアの使用時に起こりうるドアの「突っかかり」の力をユーザに提示することで仮想空間における空間接続感を向上させる手法を提案し,そのシステムの概要について述べる.
- 発表時のスライド
- 発表時の様子
学生奨励賞:石丸敬登さん(学部3年)
論文名:「仮想空間におけるドアの開閉に着目した空間接続手法の提案」
学会名等:第83回情報処理学会全国大会
受賞日:2021年3月18日
関連サイト:https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html#anc1