吉野研究室(Yoshino Lab.)(コミュニケーションデザイン研究室)|和歌山大学 システム工学部 社会情報学メジャー

支部大会奨励賞:井口拓己さん(大学院1年)

論文名:「ニューラルネットワークを用いたID-POSデータの非会員顧客の性別と年齢の推定」

学会名等:2023年度 情報処理学会関西支部 支部大会

受賞日:2023年 9月24日

関連サイト:https://kansai.ipsj.or.jp/record/2023.html

  • 論文の概要
    • 近年,スーパーマーケットにおけるポイントカードの導入率は82.6\%であり,様々な小売店が独自のポイントカードを導入している. ポイントカードを導入することにより,性別や年代などの顧客情報をレシートの情報と紐付けることが可能であり,そのようなデータをID-POSデータと呼ぶ. つまり,ID-POSデータを生成するためには,性別や年代などの顧客情報を含むポイントカードが必要である. 店舗がID-POSデータを生成・収集し,利活用することでマーケティングへの応用が期待できる. 簡単な利用例として,商品購入者の年齢層を分析することで,特定の年代に合わせた商品の販売促進が可能である. また,応用的な利用例として,ID-POSデータの分析により,顧客を逃さない継続的な来店による客単価の増加などのマーケティングが可能である. しかし,ポイントカードの利用をメリットと感じず作成しない顧客や,取り出すのが面倒で提示しない顧客など,ID-POSデータの中には非会員と分類される顧客が一定数存在する. また,2019年10月に実施されたキャッシュレス・ポイント還元事業の影響で,小売店独自のポイントカード以外の共通ポイントカードを利用する顧客が増加した. 既に述べた通り,ID-POSデータを生成するためには,性別や年代などの顧客情報を含むポイントカードが必要である. しかし,店舗は共通ポイントでは顧客情報を収集することができず,ID-POSデータを生成することができない. そのため,ID-POSデータの中には,年齢や性別などの顧客情報が欠損したデータが存在し,十分に活用できないといった問題がある. 実際,本研究で使用するデータでは,A店舗の2021年9月における非会員顧客のレシート枚数は,全レシート枚数中約20\%である. そこで本研究では,ID-POSデータの価値をさらに向上させるため,会員顧客のデータを利用して,顧客の性別や年齢の情報を推定することを目的とした分析を行う.
  • 発表中の様子1
  • 発表中の様子
  • 発表時のスライド
  • 発表時のスライド