2013年度研究活動
本研究会は平成23年度(2011)からスタートし、三年目の今年度を最終年度としている。
日本の厳しい現実とその結果である社会実情を明確に認識し、今要求されている、地域社会と生活の拠点としてのまちの在り方を、
持続可能な社会形成をキーワードとして構築することを目的としている。
初年度及び二年度は、主として、和歌山市の現状認識と諸課題及び各施策、和歌山市に類似している地域や先進的な取組みを展開している他地域の状況、
さらに、各機関や研究者による研究成果の情報収集などに積極的に取組んだ。
これらの研究をベースとして、最終年度である今年度では、以下のようなプロットで“目指すべき和歌山市のグランドデザイン”を仕上げる方針である。
過去の類似研究は数多くあり、かつそのほとんどが対象領域の一部相互含有である。
本研究会は、これら研究内容を下敷きとしながら、現状の社会実情と将来予測を重要ファクターとして、「基本ビジョンの構築」に着手する。
さらに、構築された基本ビジョンに沿う「基本コンセプトづくり」を経て、和歌山市域全域の「ゾーニング・プラン」を形成する。
最後に、この流れを実現可能とするためのさまざまな手法、施策、体制等の「スキーム構築」の研究も同時に実施する。
以下にその概要を列記する。
A ビジョン構築
「目指すべきビジョン」とは ⇒ «住みたい、訪ねたい、触れたい、働きたい、繋ぎたい、そんなまち»
- ~キーワード~
- * 人口減少 / 少子高齢化 / 社会経済システム変動 / 共生 / 交流 / 協働 /
生活者優先 / 環境 / 安全・安心 / 防・減災 / 持続可能性 / 縮退都市 /
地域間連携 / 等 - ~前提条件及び背景~
- * 人口推移 / 産業構造 / 事業所経営状況 / 雇用・所得等推移 / 交通基盤 /
文化・歴史認識 / 地域特性 / 等 - ~先進地調査~
- * 松本市 / 宇都宮市 / 岐阜市 / 富山市
- ○中核ビジョン
- * すべての分野で 「LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)的社会活動」が可能なまち
- * 「スマート・シュリンク(賢く縮退する)都市」構想 ⇒ «パラダイムシフト・あらたな価値基準»
B 「基本コンセプト」づくり ⇒ «持続可能な都市構造»
- ~キーワード~
- [ハード要素]
- * 社会・生活インフラ再投資 / 産業構造 / 交通体系 / 環境保全 / 景観重視 /
生活者重視 / 防・減災 / 地域間施設連携 / 都市非拡散・低密度化 /
縮退計画 / 等 - [ソフト要素]
- * 人口減少 / 少子高齢化 / 生活・価値観多様化 / 文化・歴史的要素 /
就業機会 / 地域特性 / 時間軸 / 財政緊縮 / 行政サービス維持・劣化 /
官民協働 / 地域コミュニティ再生 / 地域間機能連携 / 等
- ○中核コンセプト
- * 「コンパクトシティ」 ⇒ «地域間及び中心域と連携したコンパクトシティ»
C 「ゾーニング・プラン」づくり ⇒ «コンパクトシティ構想と周辺地域生活圏のバランス»
- ~チェックポイント~
- * 「都市計画マスタープラン」との整合性
必要可否 / 8地区 / リンク性 / 地元理解・整備意識 / 推進主体・財源 - * 和歌山市全域か地域特定か
- * 維持市街地と縮退地域の選別
- * 地域(個別)移転前提の可否
- * 既存権益との調整(事業所・住民)
- * 上位計画との整合性
市長期総合計画 / 定住自立圏構想 / 国土形成計画 / 他
- ○キーポイント
- * 交通結節点(公共交通)を基準としたゾーニング ⇒ «鉄道駅(3社8路線)を地域核として中心核との連携»
D 「スキーム構築」
- ○推進計画策定
- * 現在計画調査 / 類似計画履歴調査
- * 計画区域明示 / 地区計画・街区計画
- * 事業手法(区画整理・再開発・等価交換・権利変換・賃貸借・定期借地・
農振法 / 優良宅地 / その他) - * 事業主体 / 参画事業体
- * ファイナンス(PPP・PFI・BID・TIF・P/F・その他)
- * エリアマネジメント概念(国土交通省)
- ○組織・体制づくり
- * ステークホルダーの確定(住民・企業・行政・団体/来客)
- * リーダーシップ / コンサルタント・アドバイザー・コーディネーター
- * 事業主体 / 参画事業体
- 〇ロードマップづくり
- * 計画立案~推進~実施~定着
第1回研究会 | 2013年5月22日 |
第2回研究会 | 2013年6月28日 |
第3回研究会 | 2013年7月31日 |
第4回研究会 | 2013年9月27日 |
第5回研究会 | 2013年10月30日 |
第6回研究会 | 2013年11月22日 |
第7回研究会 | 2014年1月20日 |
第8回研究会 | 2014年2月27日 |
第9回研究会 | 2014年3月28日 |
木下 雅夫(代表) | 和歌山社会経済研究所常務理事 |
大門 忠志 | 和歌山社会経済研究所研究部長 |
中平 匡俊 | 和歌山社会経済研究所主任研究員 |
高木 啓江 | 和歌山社会経済研究所主任研究員 |
大泉 英次 | 和歌山大学経済学部教授 |
足立 基浩 | 和歌山大学経済学部教授 |
鈴木 裕範 | 和歌山大学経済学部教授 |
中島 正博 | 和歌山大学経済学部准教授 |
大井 達雄 | 和歌山大学観光学部准教授 |
永瀬 節治 | 和歌山大学観光学部講師 |
中浴 正隆 | 和歌山商工会議所企業支援部企画・街づくり支援室主任 |
中浴 正隆 | 和歌山商工会議所企業支援部企画・街づくり支援室主任 |
上野 美咲 | 和歌山大学経済学部特任助教 |
- 2012年度の活動については2012年度研究活動をご覧ください。
- 2011年度の活動については2011年度研究活動をご覧ください。