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研究の着眼点

本研究室では,無線通信方式および無線ネットワークを対象として, 理想的な条件や最良ケースを前提とした評価に留まらず, 実際の利用環境において性能や信頼性がどのように変化するのかを, 設計と評価の両面から検討しています.

無線LANをはじめとする自営系無線通信システムを中心に, 混雑や干渉,周波数共用といった利用状況に起因する要因, ならびに開空間を伝搬路とする無線伝送に固有の 伝搬路の不安定性を考慮した研究を行っています.

IEEE 802.11をはじめとする無線LANの標準化では, 相互接続性や実装可能性を重視した設計が行われており, 無線LANの普及に大きく貢献してきました. 一方で,不特定多数の端末が同一チャネルを共用するような環境において, 遅延や通信品質をどこまで保証できるのかといった課題は, 標準化の枠組みでは必ずしも十分に扱われていない側面もあります.

無線通信の標準規格(IEEE 802.11, Wi-Fi, 3GPPなど)は,端末の相互接続性を確保するための重要な基盤ですが, あくまで「つながるための最大公約数」として設計されています. そのため,製造現場,農林水産業,災害現場,あるいは今後さらに多数のIoTデバイスが密集するような極限環境では, 標準規格に則っただけの無線システムでは満足な伝送性能が得られないことがあります. 本研究室では,物理層から媒体アクセス制御(MAC)までを含むクロスレイヤの視点から, 過酷な環境でも安定して運用できる無線通信システムの技術開発を目指しています.

主な研究課題

  • 高密度無線LAN環境では競合と干渉がどのように性能を制約するのか? 物理層通信方式や媒体アクセス制御(MAC),周波数資源管理の観点から, 混雑や干渉といった現実的な利用状況においても性能を維持できる設計・評価のあり方を検討しています.
  • アンライセンスバンドにおける周波数共用はどこまで効率化できるのか? アンライセンスバンドにおいて,標準的なモデルだけでなく, 共用環境が非常に厳しくなった場合の性能劣化や振る舞いに着目し, 空間再利用(Spatial Reuse)などの高度な制御手法を評価しています.
  • 不特定多数が共存する無線環境で通信品質(QoS)保証は可能か? 不特定多数が共用する環境において, どの条件下でどの程度の品質が確保可能かを, リソース管理やNAV(Network Allocation Vector)を活用した送信制御の観点から整理しています.
  • 異種無線システム協調時にリンク品質差はどのように影響するのか? リンク品質や負荷にばらつきが生じるヘテロジニアスネットワークにおいて, 異なる無線システムを協調利用した際の伝送性能を評価しています.
  • 中継伝送が有効となる条件と限界はどこにあるのか? 理想的な環境を前提としない状況において, 中継が有効となる条件やその限界を明らかにするとともに, 新たな中継制御技術や移動型ゲートウェイ活用の可能性を検討しています.
  • Massive IoT環境では無線アクセス方式に何が求められるのか? 数千台規模の端末が密集する複雑な状況を想定し, IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)などを活用した広域・高密度IoT環境における無線通信のあり方を研究しています.

研究課題遂行に必要な要素技術の修得

上記研究課題の遂行に必要な以下の技術分野の修得を目指しています.
  • 信号解析/システム解析(該当授業科目:5セメ・信号とシステム
  • 無線通信方式/無線ネットワーク(該当授業科目:6セメ・無線通信システム
  • 電波伝搬

卒業論文・修士論文で取り組んだ研究課題

これまでの卒業論文および修士論文の題目一覧はこちら

 

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