和歌山大学システム工学部で無線通信に関する教育と研究を行っています
和歌山大学
システム工学部 システム工学科
情報学領域
研究室のご紹介
次世代Wi-Fi・IoT・高信頼無線ネットワークを支える通信技術の研究
無線通信は,スマートフォンやWi-Fiだけでなく, 工場,災害対応,センシング,IoT機器の大量接続など, 今後の社会基盤を支える重要な技術となっています. 一方で,実際の無線環境では,混雑や干渉,伝搬路の不安定性により, 理論どおりに性能が得られないことも少なくありません.
宮本研究室では,このような現実の無線環境において, 無線ネットワークがどこまで高速性・信頼性・安定性を維持できるのかを, 物理層通信方式,媒体アクセス制御(MAC),周波数共用, ネットワーク構成といった複数の観点から研究しています. 特に,無線LANを中心とした自営系無線通信システムを対象に, Wi-Fi 7/8,Beyond 5G/6G時代の高密度IoT環境も見据えた設計・評価に取り組んでいます.
標準規格は「つながるための基盤」として重要ですが, 多数端末が集中する環境や極限条件では, その枠組みだけでは十分に対応できない場面もあります. 本研究室では,標準化の先にある無線通信の可能性を考え, 極限環境下でも安定して機能する無線通信技術の実現を目指しています.
研究課題への取り組み
宮本研究室では,結果そのものよりも,そこに至る考え方や前提条件を重視します.
無線通信は,環境や条件によって性能が大きく変化するため,
「なぜそのモデルを用いるのか」「なぜその評価指標で議論するのか」を
自分の言葉で説明できることが重要だと考えています.
研究では,無線LANを中心とした実システムを意識し,干渉,混雑,周波数共用,遅延,信頼性といった
現実的な制約を取り入れた評価を行います.
そのため,すぐに答えが出ない課題や,試行錯誤が必要なテーマに
取り組むことも少なくありません.
「とりあえず動かす」「結果が出たから良しとする」のではなく,
設計の意図と評価の妥当性を丁寧に考える研究を行いたい学生のみなさんを歓迎します.
研究テーマ例
宮本研究室では,無線通信に関して,「当たり前だと思われている前提が,本当に成り立っている?」という問いから研究テーマを設定しています.
現在取り組んでいる主な研究テーマは,次のとおりです.
- 無線LANはなぜ使いにくいときがある? 物理層・媒体アクセス制御層の観点から,無線LANの性能低下要因と改善方法を検討します.
- 限られた周波数資源を多数の利用者でどのように共有すべき? マイクロ波帯(2.4/5/6GHz帯),サブギガ帯(920MHz帯),ミリ波帯(60GHz帯) アンライセンスバンドでの周波数共用方式と与被干渉の影響を評価します.
- 無線LANで遅延や信頼性(QoS)はどこまで保証できる? 無線リソース管理やアクセス制御方式を通じて,通信品質を維持するための設計指針を検討します.
- 異なる無線システムを組み合わせれるメリット/デメリットは? 無線LANや他の自営系無線システムを組み合わせたヘテロジニアスネットワークの性能を評価します.
- 中継伝送で通信の信頼性を高められる? マルチホップ中継伝送を用いた無線ネットワークの性能限界を明らかにします.
- IoT機器が増えると無線環境はどのように変化する? 伝送性能や電磁環境両立性(EMC)の観点から,未来の多数IoTデバイス接続環境(Massive IoT)を想定した無線環境解析を行います.
- これまでの卒業論文および修士論文の題目一覧はこちら
研究を進めるうえで大切にしていること
宮本研究室では,研究を通じて,結果だけでなく, その技術的背景や前提条件について考えることを大切にしています. 例えば,なぜその課題を克服する必要があるのか,なぜそのモデルを用いるのか, なぜその評価指標で性能を議論するのか,といった点について, 自分なりの説明を試みる姿勢を重視しています. 研究テーマの難しさよりも,わからないことに対して立ち止まり,考え,議論しようとする姿勢を 前向きに楽しめるかどうかを大事にしています. この過程を通じて養われる「現象の本質を見抜き,論理的に説明する力」は, 将来どのような技術分野に進んでもあなたを支える一生モノの武器になると信じて取り組んでいます.
研究室選択にあたって(学内向け)
研究では,すぐに答えが出ない課題に取り組むことも少なくありません. 宮本研究室では,結果だけでなく, その理由や前提条件について,自分の言葉で説明できるようになることを目指しています. 表層的な面白さや短期的なトレンドだけでなく, 「世界水準で議論されている研究課題の技術的背景や考え方」にも目を向け, 研究室が目指すものが,自分の考え方や学び方に合っているかどうかを基に, 研究室を選択していただければと思います.
