学生のみなさん、こんにちは。

聴覚メディア研究室へようこそ。 聴覚メディア研究室では、大学生、大学院生(修士・博士)から、会社等で働きながら入学する社会人学生(博士)まで、「学びたい」と思う人材を幅広く受け入れております。 特に、元気ある学生、そして、音声、音響、音楽やそれに関係する新しいコミュニケーション技術に興味がある人を歓迎します。 このページがみなさんの進路決定の参考になれば幸いです。
(追記:教授の定年(2025年3月)に伴い、状況が変化しない限り、学生の受け入れはできないと思われます。)

何をしているの?

聴覚メディア研究室では、音声やオーディオ、音楽、聴覚の仕組みなど、音を対象としたさまざまな研究を行っています。 音の研究と聞いても印象が無いかもしれませんが、携帯電話、ポータブルオーディオ、音響システムなど、私たちの先輩が築き上げてきた研究の成果が日常生活のあらゆる場面で使われています。 また、最近では、コンピュータの発達のおかげで、より高度な音の加工や認識ができるようになりました。 これら技術が土台となることで、次世代のコミュニケーション技術の開発につながっています。

何を作っているの?

大学では、企業と違い、具体的な製品を製造しているわけではありません。 しかし、聴覚メディア研究室では、工学の立場から常に製品化を視野に入れ、新技術の開発を行っています。 例えば、私たちの研究がさらに発展すると、次のような製品が生まれ、社会で活躍する日が来るかもしれません。

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  • 模擬難聴: 難聴者の聞こえを体験できるシステム
  • 寸法知覚: 声からの身長測定-- 一声聞くだけで、相手が子供か大人かがわかる原理の解明
  • 難聴者モデル:老人の難聴の特性を測定してモデル化し、究極の補聴器を作る
  • 音声対話: 人間と会話ができるロボット
  • 感情理解: 人の感情を理解するコンピュータ
  • インタラクティブミュージック: 人間の行動にあわせて音楽が変化するミュージックプレイヤー
  • 話者交換: あなたの声を他人の声に変えてしまうボイスチェンジャー
  • 歌声合成: 歌を歌うコンピュータ
  • 感情音声合成: 声を出して笑ったり、怒るコンピュータ

なぜメディアデザインメジャーで音なんですか?

システム工学部の「メディアデザインメジャー」では、デザインと情報技術の融合による新領域を開拓する人材を育成しています。 その中で、聴覚メディア研究室は、メディア情報処理の研究教育を担っています。 みなさんは、「デザイン」と聞くと、イラストや図を描くことをまず想い浮かべるかもしれません。 しかし、コンピュータや通信環境が発達した現在、意思伝達や表現の手段には、人間のさまざまな感覚を複合的に利用する、いわゆるマルチメディアの活用が求められています。 聴覚は、視覚と並んで人間の認識能力を担う重要な五感の一つです。 ゲームや映画に音が無ければ、非常にさびしいものになります。 ヒューマンインタフェースやインタラクション、情報通信の分野においても、メディアとしての音の設計(デザイン)は必要です。 想像してみてください。人間同士の会話は、音声をメディアとするコミュニケーションです。 なにげない会話でも、話の流れがきちんと設計されてなければ、互いの意思を伝えることは困難になります。 人間同士なら難しくない会話をコンピュータで実現すること、そのためのデザインを行うことも聴覚メディア研究室のテーマの一つです。 豊かなコミュニケーションを実現するため、音を含めたトータルデザインは、ますます重要になると私たちは考えています。

聴覚メディア研究室に入るには?

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聴覚メディア研究室は、現在、和歌山大学システム工学部のメディアデザインメジャーに属して活動しています。(改組にともない、メジャー名は変更になります。) 現状では、教授の定年(2025年3月)に伴い、研究室に受け入れられない可能性が大きくなっています。 ただし、今後、後任の人事がもしあれば、存続の可能性も零ではありません。

何を勉強すれば良いですか?

聴覚実験 まずは、いろいろな物事の仕組みに対して好奇心を持つことが必要です。 世の中の便利なものを、ただ受身で使うのではなく、その原理を考えたり、観察をする、積極的な姿勢が大事です。 そして、工学の世界では、数学があらゆる技術の土台になっています。 大学に入り、研究をはじめると、数学が世の中にどのように利用されているのかを知ることができるでしょう。 そのときには、数学を道具として使いこなすことができるよう基礎を勉強しておいてください。 また、私たちの研究室が扱っている音は「波」の性質を持つため、物理の授業で勉強する知識があると、強い支えになるでしょう。

コンピュータを使える必要はありますか?

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聴覚メディア研究室の研究において、コンピュータは無くてはならないものです。 しかし、コンピュータ自体の研究をしているわけではないので、道具として使うことができれば、能力として十分です。 先ほど数学が必要であると話をしましたが、私たちの研究では人間が紙と鉛筆で計算をすることは少なくなっています。 膨大な量になる音のデータを処理するため、コンピュータに計算を任せています。

また、システム工学部では、多くの人が大学に入ってからはじめて本格的にプログラミングを学んでいるようです。 基礎的なところでは、既存のプログラムを使うことで処理をすることができます。 しかし、研究を進めると既存のプログラムでは対処できない問題に直面することになります。 その際は、自分でプログラムを作成して解決することになりますので、プログラミングの知識は必要になってくるでしょう。

就職や進学の状況を教えてください。

毎年、状況は変わりますが、大学4年間を卒業した人の半数程度が大学院の修士課程に進学します。 ほとんどが和歌山大学の大学院への進学ですが、共同研究等の活動の中で知り合った他大学の大学院に進学する人もいます。
(追記:教授の任期に伴い2023年度以降の大学院生の受け入れは行っておりません。)

また、大学院に進学しなかった人は、就職をします。 聴覚メディア研究室では、情報系会社(研究、音響機器、ゲーム関連、システム開発等)、デザイン系(広告等)、物販系、さまざまな企業に卒業生の就職実績があります。 専門的な職業、特に、音に関係する仕事の就職先は世の中的に必ずしも多くはなく、狭き門と言えます。 そのような状況の中でも、日頃の勉学の成果を活かし、専門の職業に就職できた先輩は数多くいます。

見学や質問はできますか?

はい。 和歌山大学内や学外で定期的に開催されているオープンキャンパスでは、聴覚メディア研究室の研究デモンストレーションを御覧頂くことができます。 また、会場には、先生や皆さんの先輩となる学生がいますので、気軽に声をかけてください。 その他にも、質問や研究室見学の希望を随時受け付けています。 まずは電子メール (amlab-staff@ml.sys.wakayama-u.ac.jp) でご連絡ください。 メールにはお名前の明記を忘れないようにお願いします。