No.21 「和歌山市中心市街地活性化における中心商業地の問題」ぶらくり丁活性化・再生研究会報告書
代表研究者:木下 雅夫(財団法人和歌山社会経済研究所理事)
2011年3月発行 A4判/60ページ
地方都市における中心地商業の活性化は全国各地の共通課題である。和歌山市の中心地に位置し180年の歴史があるといわれる「ぶらくり丁」も同様の課題を抱えており、これまでにもさまざまな活性化策が取り組まれてきた。基本的には消費者ニーズに対応する商業地づくりが重要なポイントであるが、本研究は一方の当事者である店舗経営者の実状と意識に踏み込んだ調査を行い、かつ効果的な活性化・再生策に焦点を当てたところが特徴といえる。公共(公益)と個人(私権)の整合性に関連する分野や各種開発・運営手法及び新たな発想による事業手法、また、個別事業者に対する経営改革相談や一般市民の参加による夢のあるアイディア募集など、さまざまなアプローチを試みている。さらに、「ぶらくり丁」の現状を抜本的に解決し過去のような賑わいを取り戻すことは困難とは認めながらも、危機意識を持ち、消費者=市民と店舗経営者の連携を中心とした組織的な活動を継続的に取り組むことが活性化・再生へのカギとしている。平成 21年度の「消費動向調査」と併せて今後の取り組みの方向性も示唆する内容となっている。