No.19 和歌山市における市場(いちば)活性化についての研究
代表研究者:鈴木 裕範(和歌山大学経済学部准教授)
2010年3月発行 A4判/76ページ
小売市場は「市民の台所」という言葉に象徴されるように、永く市民にとって身近な存在であった。しかし、今日多くの市場が、社会経済情勢のめまぐるしい変化、国民の消費やライフスタイルの多様化、価値観の変化により存在価値が低下し、きびしい環境下にある。
市場が抱える問題は、市場じたいの問題であるとともに、地域社会、都市問題である。和歌山市・市場活性化研究会は、市場活性化の可能性と課題、まちづくりに活かしていくことを目的に、平成21年度に和歌山市の七曲市場商店街協同組合、明光商店街協同組合、和歌山駅前卸小売商店街で調査をする一方、石川県金沢市「近江町市場」をはじめ県外の市場(商店街)関係者や行政担当者らを対象に調査を行なった。
その結果、和歌山市の各市場は課題は多いが、元気な店、和歌山らしい店もみられ、市場が持つ信頼・信用に根ざした対面販売という特性があり、市場の多面的な価値や機能が確認された。市場のもつ今日的な価値、意味があり、研究会の報告書では市場の再生・活性化に向けた基本方向として、地産地消型流通システムの構築や人材育成、魅力づくり等の必要性、市場を地域社会における交流空間、新たなコミュニティの場、まちづくりの観点から捉えなおすことの重要性をあげている。
そして、方策の実施のためのアクションプログラムとして、市場の自主・自立を尊重したうえで、連携・協同の仕組みづくりによる持続的な発展を図り、コミュニティの拠点として整備することを提案している。具体的な事業として、市場、商店主、市民、行政、大学関係者等から成る「○○市場再生戦略プロジェクトチーム」の立ち上げや様々な立場の人が市場の魅力と利用を話し合う「市場再生フォーラム」の開催、市場タウンウォッチングの実施、空き店舗などを利用した「チャレンジショップ」の開設、「市場に行こう運動」の推進などをあげている。
市場は、都市ドラマの舞台であり地域資源である。市民の暮らしと関わりが深い市場が元気な町は、魅力的なまちである。もういちど、市場を町なかにとり戻す取り組みを─。
市場が抱える問題は、市場じたいの問題であるとともに、地域社会、都市問題である。和歌山市・市場活性化研究会は、市場活性化の可能性と課題、まちづくりに活かしていくことを目的に、平成21年度に和歌山市の七曲市場商店街協同組合、明光商店街協同組合、和歌山駅前卸小売商店街で調査をする一方、石川県金沢市「近江町市場」をはじめ県外の市場(商店街)関係者や行政担当者らを対象に調査を行なった。
その結果、和歌山市の各市場は課題は多いが、元気な店、和歌山らしい店もみられ、市場が持つ信頼・信用に根ざした対面販売という特性があり、市場の多面的な価値や機能が確認された。市場のもつ今日的な価値、意味があり、研究会の報告書では市場の再生・活性化に向けた基本方向として、地産地消型流通システムの構築や人材育成、魅力づくり等の必要性、市場を地域社会における交流空間、新たなコミュニティの場、まちづくりの観点から捉えなおすことの重要性をあげている。
そして、方策の実施のためのアクションプログラムとして、市場の自主・自立を尊重したうえで、連携・協同の仕組みづくりによる持続的な発展を図り、コミュニティの拠点として整備することを提案している。具体的な事業として、市場、商店主、市民、行政、大学関係者等から成る「○○市場再生戦略プロジェクトチーム」の立ち上げや様々な立場の人が市場の魅力と利用を話し合う「市場再生フォーラム」の開催、市場タウンウォッチングの実施、空き店舗などを利用した「チャレンジショップ」の開設、「市場に行こう運動」の推進などをあげている。
市場は、都市ドラマの舞台であり地域資源である。市民の暮らしと関わりが深い市場が元気な町は、魅力的なまちである。もういちど、市場を町なかにとり戻す取り組みを─。