シームレスで使いやすい和歌山市公共交通体系の実現に向けた研究

 2019年度研究活動

研究の概要

 和歌山市には3社7路線31駅の鉄道網と路線バス網、地域バス、907台のタクシー車両、フェリー、レンタサイクル等からなる公共交通体系がある。しかしながら、利用者側から見て、これらが「ひとつの移動サービス」として有機的につながっているとはいい難い。
 例えば「和歌山市六十谷の自宅から和歌山城へ遊びに行き、ガーデンパークで映画を観て、イオンモールで買い物をして帰りたい」といった場合、公共交通利用なら最寄り駅やバス停の確認、乗り継ぎダイヤの検索、運賃の確認、切符の購入、待合場所の確保など一仕事となる。「わからない」「面倒」「うまく連絡しない」といった理由で、希望通りの外出をあきらめている若者らも多いのではないだろうか。
 若者など車を運転できない人を含め、すべての人がより自由に、地球と健康に優しい手段で移動できる環境をつくるには、情報検索の煩雑さ、予約や決済の手間、接続の問題、待合環境の問題などをひとつひとつ解決し、シームレス(継ぎ目のない)で使いやすい革新的(イノベーティブ)な和歌山市公共交通体系を実現することが必要である。
 そこで本研究では、関係行政機関や市内公共交通事業者との連携のもとで、和歌山市の公共交通体系のシームレス化をソフト、ハードの両面から検討する。
 具体的には、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス:マース)や、交通結節点の改良、直通運転化等の先進事例を取り上げ、それらの和歌山市公共交通体系への応用や、和歌山市活性化へのつなげ方等について、若者(学生)などの利用者、経済界、交通事業者、政策担当者、研究者のそれぞれの立場から議論する。

活動報告
第1回研究会 2019年11月15日
第2回研究会 2019年12月20日
第3回研究会 2020年2月3日
第4回研究会 2020年3月13日
メンバー

研究員

辻本 勝久(代表) 和歌山大学経済学部教授
足立 基浩 和歌山大学経済学部教授
藤田 和史 和歌山大学経済学部准教授
上野 美咲 和歌山大学経済学部講師
中西 望 和歌山社会経済研究所研究委員
長谷川 強 和歌山社会経済研究所主任研究員
前島 昇平 和歌山商工会議所運輸倉庫業部会担当
宋 謙 和歌山大学経済学部研究支援員
竹本 彩乃 和歌山大学大学院観光学研究科博士後期課程生
事務局
宋 謙 和歌山大学経済学部研究支援員
外部参加者
鉄道3社(JR西日本、南海電鉄、和歌山電鐵)、和歌山バス、和歌山県と和歌山市の関係部署、和歌山市観光協会、和歌山運輸支局など。