1 背景と目的
近年,日本の高齢化に伴い,要介護認定者数が増えており,要介護認定者には寝たきりの患者のような起立困難者が含まれています.患者の健康状態の指標の一つとして,体重が挙げられますが, 起立困難者の体重を測るにはベッド式体重計の様な特別な装置が必要となってしまいます.
従来の起立困難な患者を対象としたシステムとして,画像を用いた体重推定システムがあります.このシステムでは,画像から患者の身体部位長を計測し,体重推定式から体重を推定します.
本研究ではARを用いて,従来のシステムでは得られなかった身体部位の厚みを測定することができる,ARを用いた体重推定システムを開発しました.
2 システム概要
本システムは,特別な装置を必要とせず,容易に身体部位を測定するために,スマートフォンを使用し,そのアプリ上で動作します.
また,ベッド上の仰臥位の患者を測定することを想定しています.
図1にシステムの構成を示します.
図1.システム構成図 |
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(1) 身体部位の計測
肩幅などの幅径を測定する場合,測定者はスマートフォンに写る,測定したい身体部位の始点と終点をタップします.
腹厚などの厚径を測定する場合,測定者は,求めたい厚径部の両端と同じ高さの場所をタップします.(図1(1))
図2.測定イメージ |
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(2) 体重推定式への代入
身体部位の測定値を体重推定式に代入し,推定体重を出力する.(図1(2)).
図3に体重推定式の一例を示します.
図3.体重推定式の例 |
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3 実際の様子
発表
- ⻆倉 啓太,吉野 孝,大平 智紀 :起立困難な患者を対象とするARを用いた簡便な体重推定手法の提案,情報処理学会,第86回全国大会,2ZH-06
連絡先
- ⻆倉 啓太 :s266147[at]wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝 :yoshino[at]wakayama-u.ac.jp