背景と目的
近年,医師の長時間労働が問題となっています.令和元年の勤務実態調査では8割以上の勤務医が法定労働時間を超えて働いていることがわかっています.また,医師と患者の知識量に大きな差があることや医師の説明が不足していることから,医師と患者のコミュニケーションが不足しているという問題があります.
患者の知識不足を解決し,医師と患者の医療に関する認識を合わせるためには, 医師が患者と十分な会話を行うための時間を確保する必要があります.
そこで本研究では,人間の医師に代わって患者とコミュニケーションを取るシステムを開発しており,患者が自身の疾病について理解を深めるとともに医療の基礎知識をつけることで,医師の負担を軽減することを目的としています. さらに説明内容を記録として残す仕組みを導入することで, 説明内容に関する認識の相違を回避することを目指します.
システム概要
本システムはwebページにアクセスすることでAIと対話することができます.
システムの構成を図1に示します. ユーザがボタンを押すと,(a)それに対応したプロンプトが送信されます,次にAI側から話しかけることでユーザの発話を促します. (b)ユーザの発話中,AIは黙って聞いているという表情ですが,ユーザの発話が終了すれば話し出します.
また会話履歴は,(c)ログとしてテキストファイルに出力されます.
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図1. システム構成図 |
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プロンプト
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デモムービー
参考文献・発表
- 今村文香,吉野孝: 医師と患者のコミュニケーションにおけるAIを導入したシステムの提案,電子通信情報学会総合大会,B-19-17,(2025).
連絡先
- 今村 文香:s276031[at]wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino[at]wakayama-u.ac.jp