1 背景と目的

日本は観光事業に注力しています.その中でも,お土産品の購入は観光消費の25%(国内日帰り旅行の場合)を占めています (参考:日本都市計画学会|観光・レクリエーション目的の国内日帰り旅行に関する旅行者全体及びその年代別における消費全体並びに消費項目別の現状について). その収入は観光地の地域活性化において重要な役割を担っています. 観光客がお土産を選ぶ際には,その土地に行かないと購入できないもの(参考:アサヒグループホールディングス|お土産に関するアンケート調査) や味のおいしさ(参考:プレスリリース|お土産に関するアンケート調査)を重視することが多いです.

しかし,その土地特有のお土産は手軽に手に入らないため,食べたことのないお土産は味の想像が難しいです. 試食がない場合にレビューサイトやSNSから情報を得る人も多いですが,検索という手間がかかる上,必要な情報を見つけ出せるとは限りません.

そこで,本研究では,お土産の味などに関する情報を提供し,おいしさの連想を支援するシステム「ほの味サーチ」を提案します.

2 システム構成

ほの味サーチは,お土産のおいしさに関する情報と,そのお土産とおいしさが類似する商品を提示することにより,お土産のおいしさの連想を支援するシステムです.図1にシステム構成を示します.

レビューサイトやTwitterから類似商品抽出を行います.また,Twitterから商品名を含むツイートを取得し,形態素解析によりシズルワードを抽出します. これらのお土産に関するおいしさ情報をサーバに蓄積します. ユーザは利用するPC,スマートフォンからお土産名やシズルワードを検索します. システムはお土産と類似商品のおいしさ情報を提示します.

システムの構成図
図1.システム構成図

3 システムで提示する情報

ほの味サーチは4つのお土産に関するおいしさ情報を提示します.

(1) お土産情報

お土産に関する情報として,(a)お土産の実画像,(b)お土産と共起するシズルワードを提示します.

お土産の画像は,公式ホームページに載っている画像や,通販サイトの画像を用いています. お土産と共起するシズルワードは,お土産名を含むツイートを取得し,形態素解析を用いて抽出しています.

システム画面1
図2. お土産情報提示

(2) 類似商品情報

お土産の類似商品に関する情報として,(c)類似商品の実画像,(d)類似商品と共起するシズルワードを提示します.

お土産の類似商品は,「お土産名」「似ている」とGoogle検索します.検索結果に含まれる,すべての商品名を取得します. 明らかに文脈からお土産においしさが似ていない商品は除外しています. これらの結果より,類似商品を選定しています.

類似商品と共起するシズルワードは,お土産のシズルワードと同様に抽出しています.

システム画面1
図2. 類似商品情報提示

4 デモムービー

システムを利用するデモムービーです. お土産名やシズルワードを入力して,おいしさ情報を見ています.

発表

  1. 宇衛 穂乃実,平林(宮部) 真衣,吉野 孝:シズルワードを用いたお土産のおいしさ連想支援システムの提案,情報処理学会,第83回全国大会,5ZD-01.

連絡先

  • 宇衛 穂乃実 :s236032[at]wakayama-u.ac.jp
  • 吉野 孝 :yoshino[at]wakayama-u.ac.jp

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