異なる言語や文化を持つ人々と意見を交換したりコミュニケーションをとる 「異文化間コミュニケーション」は,高い語学力が要求されたり,相手の文化に関する知識が必要であるなど, 初心者にとって敷居の高いものだといえます.
そこで,異文化(異言語)間でのコミュニケーションを簡単かつ円滑にできるようなソフトウエアを開発し, 評価していくことを研究テーマとしています.
コンピュータ上で行う一般的なコミュニケーションツールには,電子メールやチャットなどがあります.
本研究では,異文化間でのコミュニケーションを支援するためのチャットツールとして,AnnoChatを開発しました. AnnoChatは,インスタントメッセンジャー風のチャットツールに,機械翻訳機能,リアルタイム折り返し翻訳機能, アノテーション機能をつけたものです(図1).

機械翻訳機能により,ユーザが母国語で入力した内容を,相手の言語に翻訳できます. これにより,不慣れな外国語を読み書きする負担を減らすことができます.
リアルタイム折り返し翻訳機能により, 入力中のメッセージを相手語に翻訳したときに,「ちゃんと意味がわかる翻訳結果になってるか」どうかを 母国語でリアルタイムに確認することができます.
アノテーション機能により,意味のわからない語句に,説明をつけることができます. これにより,ユーザの文化に特有の語句や項目に説明をつけたり, チャット中に言いそびれたことを後から補足することが可能になります.
アノテーションとは,日本語で「注釈」と呼ばれるように, 本システムでは,特定の語句に付けられた「語句の説明」をアノテーションと呼んでいます.
AnnoChatで一般的なアノテーション機能は,図1に示すように,リンク(アンカー)付きの語句を クリックすると,語句の説明が表示されます.
図2のように,特定の語句に対して複数のアノテーションを付けることができるほか, 文章や画像で表現することが可能となっています.
現在,アノテーションに関しては,一般的な付与機能のほか, 推薦機能,依頼機能の3機能を提供することで,ユーザのアノテーション利用を促進したり, 理解向上の支援につながらないかと検討しています.
本研究は,情報通信研究機構(NICT)の言語グリッド(Language Grid)プロジェクトとの共同研究です.