この牛乳パック望遠鏡は、金環日食を安全に観察するための教材です。どこにでもある牛乳パックを使って簡単に作ることができます。
用意するもの
牛乳パック(500ccか1000cc)2つ、7cm角の白い厚紙、ハサミ、カッター、押しピン
作り方
下の写真のように、牛乳パックを洗って、口を開いて乾燥させます。1つは、底の中央に外から押しピンを刺します。できれば、プラスチックの持ち手のあるピンが便利です。差し込んでからクルリと1周ほど、回転させてから、まっすぐピンを抜きましょう。これで、針の穴(ピンホール)ができます。次に、写真の左側の牛乳パックのように、開け口から下に向かってハサミでスリットを入れます。
残りのパック(写真では右)は、開け口の上端をきれいにカットしておきます。そのあと、写真のように、カッターで底の方に、のぞき窓を開けます。次に、7cm角に切っておいた白い厚紙を底に押し込みます。ここがスクリーンになります。

この2つを下の写真のように合体すれば、完成です。5分もあればできるでしょう。

観察するときは、太陽を横にしてこの牛乳パック望遠鏡を持ち、のぞき窓を上側にして、ピンホールの空いた方を太陽に向けます。地面に映るパックの影が一番小さな四角になるとき、ちょうど太陽の方向に向きます。


のぞき窓をみると、小さな丸い太陽が見えているはずです。日食のときには、その丸い形が欠けてみえるはずです。

なお、牛乳パックは白いために、スクリーンが十分に暗くならないので、中を黒く塗らないといけないのでは?と心配される方もいるかと思いますが、500ccのパックでは、このままでもよく見えることを確認しています。また、パックの底は白いのでわざわざ厚紙を敷かなくて良いのではと思うかもしれませんが、そのままでは、折り目があって邪魔になります。薄い紙の場合は、糊で貼っておけば大丈夫です。厚紙の場合、7cmで作るとキチキチのサイズのため、押しこむだけで固定できます。
同僚の吉住さんが頑張って1000cc牛乳を2本空けてくれたので、本日、またまた5分間工作をしてみました。

下が1000cc版での太陽像です。こっちの方がいいですね!

このあと、宇宙教育研究所のスタッフから1000ccの遮光タイプの牛乳パックをもらったので、3連で作ってみました。当然のようにより大きな太陽像が見え、迫力は増しましたが、導入が大変難しくなりました。ということで、1000cc2本で作るのが一番良いかなと思います。
2012年5月3日更新
和歌山大学観光学部 尾久土正己
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