LAST UPDATE 2003.05.10 |
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[ポリ酸について] |
本研究室で得られたポリ酸は、↓こちらへどうぞ。 |
モリブデン化合物 | タングステン化合物 | バナジウム化合物 |
ポリ酸という言葉はかなり広い範囲の化合物群を示すこともありますが、ここでいう「ポリ酸」とは、 V族VI族の元素(V, Nb, Ta, Mo, W)の酸素酸が縮合して生成した縮合酸素酸(陰イオン性の金属多核酸素錯体) のことです。これらの金属(骨格原子、addenda原子)の酸素酸からできているポリ酸を「イソポリ酸」と呼び、 これ以外の元素(ヘテロ原子)の酸素酸も取り込んで出来ているものを「ヘテロポリ酸」と呼びます。様々な組成や構造をとりますが、 最もよく知られているのは、[XM12O40]n- で表されるKeggin型構造と、[X2M18O62]n- で表されるDawson型(またはWells-Dawson型)構造でしょう。いずれの構造も 多くの異性体を持ちますが、最も代表的なものを次に示します。 |
Keggin型構造 | Dawson型構造 |
これらの図からもわかるように、ポリ酸は基本的に、骨格・ヘテロ原子を中心に、酸素原子を頂点にもつ 八面体と四面体の組み合わせからできています。言い換えれば、単純なパーツを様々に組み合わせて 複雑な構造を作り上げている、ということです。ポリ酸は通常溶液中で作られますが、この組み立てを 担うのは、主に脱水反応です。 |
ポリ酸生成のイメージ |
このようなポリ酸は、陰イオン性の酸化物とみなすこともでき、また、酸化物の一部を切り出したものと みなすことができます。さらに、優れた酸化還元特性や酸特性を持つのみならず、構造を保ったまま 構成元素を代えることでこれらの性質を容易に修飾できること、本体のみならず対陽イオンの性質も利用して 様々な物性を制御できること、などの特徴を有しています。そのため、次のような利用が行われています。 |
○ 酸触媒、酸化触媒 |
○ 分析・電気化学(電極など) |
○ 酸化物の前駆体 |
○ 無機医薬 |
○ フォトクロミック材料 |
さて、これらのポリ酸はいわば「酸化物」ですが、酸化物があれば過酸化物(正しくはペルオキソ化物)も あると考えられます。そして、ポリ酸の酸化物イオン(O2-)をペルオキソ化物イオン(O2)2-で 置き換えたものをペルオキソポリ酸と呼びます。ペルオキソポリ酸は、ポリ酸を触媒(というより活性酸素キャリヤ)とする 過酸化水素による酸化反応の活性種として主に興味が持たれてきました。とくに、環境に対する配慮から新たな 漂白剤として過酸化水素と共に用いられています。また、ある場合にはガラス状固体になること、 これがフォトレジストの性質を持っていることから、酸化物の前駆体や基板への応用も成されています。しかし、 生成する錯体が不安定であったり、生成系である溶液が不安定な上に反応が複雑であることから、応用面が 先走ってしまい、通常のポリ酸と比べると研究は進んでいないのが現状です。 |
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