LAST UPDATE 2011.03.01 |
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本研究室で得られた新規錯体 |
[モリブデン化合物 〜ペルオキソモリブデン酸] |
タングステン化合物(ペルオキソタングステン酸)はこちら。 |
☆ [Mo2O3(O2)2(OH2)2]2-をビルディングブロックとするペルオキソモリブデン酸 |
以下のペルオキソモリブデン酸は、全て共通のビルディングブロックの連結により組み立てられています。 化学量論比が似通っているため、作り分けは容易ではありません。水/有機混合溶媒でうまく合成されます。 |
[Mo2O3(O2)2(OH2)2]2-の構造 |
○ 無限鎖状型ペルオキソイソポリモリブデン酸 |
By T. Minami T. Sato | |
[Mo2O3(O2)2(OH2)]2- | |
らせん状ポリマー構造になっています。現在のところ、右巻きの構造が解析されています。 対陽イオンであるセシウムが、全体の構造を支えています。 |
○ 異性体の関係にあるペルオキソテトラモリブデン酸 |
(a) | (b) | (c) |
By T. Tanaka T. Sato | |
[Mo4O6(O2)8]4- | |
いずれも上記の組成をもちますが、Mo十面体の連結様式が異なった異性体となっています。 (b)の化合物は下に示すようなひだ状ポリマーとなり、ひだの間に陽イオン(K+、Rb+)が挟まれています。 | |
(b)のポリマー構造 |
○ OH二重架橋ペルオキソジモリブデン酸 |
By T. Tanaka | |
[Mo2O2(O2)4(OH)2]2- | |
Moどうしを架橋している酸素の部分は、ともにOH-になっています。 |
By T. Tanaka |
これらの錯体の熱分析の結果です。安定性の異なるいくつかのペルオキソ基のある事がわかります。 安定性と位置との関係や、熱分解生成物の構造は、現在検討中です。 |
☆ その他のペルオキソモリブデン酸 |
By T. Minami | |
[HMo10O31(O2)2]5- | |
一次元無限鎖構造をとっています。ただし、らせん構造にはなっていません。 |
By T. Minami and T. Sato |
[H2Mo7O22(O2)2]4- | [Mo7O23(O2)]6- |
[H2Mo7O22(O2)2]4-では、矢印の部分がプロトン化しています。 どちらも合成が難しく、再現性が極めて悪いのが難点です。 |
By K. Yamanaka K. Iwata K. Aoki | |
[PMo10O35(O2)]7- | |
欠損Keggin型構造にMoがキャップし、その部分にペルオキソ基とオキソ基が配位しています。 |
K+イオン(黄色)2個をサンドイッチした構造。 K+イオンの周りにある赤い球は、配位した水です。 |
エチレンジアンモニウムイオン[H3NCH2CH2NH3]2+をサンドイッチした構造。 |
結晶中では、このイオンは上図のようにカリウムやアンモニウムといった陽イオンを カプセルした状態で、二量体を形成しています。 |
ところが、K+がなくアンモニウムも大きい(この場合はブチルアンモニウム)と、カプセルを作りませんでした。 ここでは、欠損部分にNa+が配位し、さらに結晶水もとりこんでいます。 外部にあるアンモニウムイオンを含め、水素結合ネットワークで欠損部をふさいでいます(赤点線)。 |
By K. Aoki | |
[(P2O7)(MoO(O2)2(OH2))2(MoO(O2)2)2]4-の構造 | K+イオンによるアニオン構造の支持 |
二リン酸をヘテロ原子とすると、このようなものが得られました。C2対称をもち、 プロペラあるいはスクリューのような形をしています。 モリブデンの多面体どうしは結合していません。何か大きな構造のユニットになりそうです。 |
アニオン構造は、周辺にあるK+イオンにより支えられています。スクリューの羽根に当たる部分(上半分)には 水(青い球)が配位して、相方のペルオキソ基との間に水素結合を形成して構造を保持しています。 |
さらに、K+イオンにより連結され、一次元のダブルレイヤーを形成します。 レイヤー間には、結晶水やテトラメチルアンモニウムイオンの一部分が入っています。 |
また、二リン酸の系でセシウムを対陽イオンに用いると、次に示すアニオンが得られました。 |
By K. Konishi | |
[(P2O7)2(MoO(O2)2)2(Mo2O2(O2)4)2]8-の構造 | Template的なCsイオンとの相互作用 |
二リン酸は五座m4配位子としてペルオキソモリブデートモノマーとダイマーとの間をつないでいます。 Csイオンが隙間に入り込み、アニオン構造を支えているように見えます。 |
Csを含んだSpace Filling Model | Cs架橋による一次元鎖構造 |
Csイオンがアニオン構造内にすっぽりと入り込んでいるのがわかります。また、このCsによりアニオン同士が連結され、一次元鎖を形成しています。 |
Anion周りのCsイオン |
これ以外にも、アニオンの周りには多くのセシウムが配置し、アニオン構造を支えるとともにアニオン同士を連結しています。 合成上に問題があり、二リン酸の加水分解の結果生成するStrandberg型アニオン、あるいは上述のらせん状ポリマーと同時に析出して しまいます。また、溶液内形成反応 の検討も出来ていません。まだまだ調べなければならないことがたくさん残っています。 |
フェニルホスホン酸を用いたときに、下の図のようなアニオンが得られました。 |
By Y. Oyagi |
[(C6H5)PO(MoO(O2)2)2]2-の構造 |
いわゆるIshii-Venturello型構造から、Moが2個欠損した構造をとっています。 アニオンはC1対称で、結晶学的に独立な対掌体が一対、結晶中に含まれています。 リンに結合している末端酸素は、プロトン化していません。その代わり、 対カチオンであるn-ジブチルアンモニウムの窒素に結合した水素原子と水素結合をしています。 |
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