2018年度 開催報告
各回終了後、順次掲載していきます。- 那智勝浦町会場
- 第1回
那智勝浦町会場
鉄道乗車中、津波から避難するには
西川一弘(和歌山大学クロスカル教育機構 生涯学習部門 准教授)
12月15日(土)に,和歌山県那智勝浦町の土砂災害啓発センターにて,2018年度の第10回ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センターの西川一弘氏を講師にお招きし,「鉄道乗車中、津波から避難するには」と題し,東日本大震災での鉄道からの津波避難の事例や,和歌山県を走るJR紀勢線での取り組みなどについてわかりやすくご紹介いただきました.
まず,東日本大震災での津波により押し流された鉄道車両や,総震災の津波で人的被害がなかった実例などを紹介し,次に,和歌山県,特にJR紀勢線での鉄道乗車中に津波被害が想定された場合の避難計画や訓練などについて紹介がありました.その後,関連する取り組みとして「鉃学」の説明もあり,参加者は熱心に聞き入っていました.
講師の西川一弘先生
カフェの様子
「鉃学」のパンフレット
和歌山市会場,田辺市会場
皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるかな
~これからの防災への備えについて考えよう~
此松昌彦(和歌山大学教育学部 教授)
11月6日(火)および11月17日(土)に,和歌山県県民文化会館および田辺市消防本部にて,2018年度の第8・9回ワダイの防災カフェが開催されました.
今2回は,和歌山大学災害科学教育研究センターのセンター長である此松昌彦氏が講師を務め,「皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるかな ~これからの防災への備えについて考えよう~」と題し,地震災害の被害想定,特に和歌山県沿岸地域で大きな被害が想定されている南海トラフ地震について,詳細にご紹介いただきました.
まず,11月2日に起こった田辺市を震源とする地震について紹介し,この地震が南海トラフ地震に関係するかなどについての見解,南海トラフ地震へ備えるためにどのような考え方を持つべきかといった説明がありました.また,和歌山市会場では中央構造線沿いの断層に起因する直下型地震の可能性や,水害の紹介として紀伊半島大水害の紹介および研究成果などについても触れ,参加者は熱心に聞き入っていました.
講師の此松昌彦先生
カフェの様子(和歌山市会場)
カフェの様子(田辺市会場)
田辺市で11月2日に発生した地震
南海トラフ地震と3連動地震の紹介
古座川高校
情報通信技術を用いた防災支援システム
~スマホやタブレットを使った防災アプリ~
吉野孝(和歌山大学システム工学部 教授)
10月20日(土)に,和歌山県土砂災害啓発センター(那智勝浦町)にて,2018年度の高校生向け第2回ワダイの防災カフェが開催されました.地域防災力の強化に若者の防災知識獲得が有益であるという考えから生まれた,古座川高校に通う高校生を対象とした試みです.
今回は,和歌山大学システム工学部の吉野孝氏を講師にお招きし,「情報通信技術を用いた防災支援システム」と題し,スマートフォンに代表される身近な情報通信技術を用いた災害時支援のお話を中心に,開発が進む防災アプリ等についてご紹介いただきました.
吉野先生のカフェでは,スマートフォンにインストール可能なネットワークが切れた場合においても出張先等で防災情報を提供するアプリ等について紹介いただきました.また,スマートフォンやタブレットを持っていれば誰でも利用可能な地震体験アプリの開発などにも触れ,参加者の高校生たちは熱心に耳を傾けておりました.
またカフェの前には,土砂災害啓発センターの坂口武弘所長から,土石流の模型実験により砂防堰堤がもつ機能などについてもご説明がありました.
防災カフェの後には質疑応答が行われ,活発な議論が行われました.
防災カフェの様子
講師の吉野孝先生
防災カフェ前の模型実験の様子
和歌山市会場
災害時でも使える通信技術 ~無線通信,光通信~
塚田晃司(和歌山大学システム工学部 准教授)
10月3日(水)に,和歌山県民文化会館にて,2018年度の第6回(和歌山市会場・第2回)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学システム工学部准教授の塚田晃司氏が講師を務め,「災害時でも使える通信技術 ~無線通信,光通信~」というタイトルで,災害時に活躍する情報通信技術について,主に伝える内容にあたる「情報」と,どのように伝えるかにあたる「通信」に分けて,それぞれの技術についてわかりやすくご説明いただきました.
まず,先の2018年台風21号で和歌山市内において発生した大規模停電の際に,参加者の皆様がどのように情報を入手したかについてアンケートを実施し,災害時の行動を振り返りました.その後,災害発生前,発生直後,復旧・復興期で必要となる情報の質・入手方法が異なることや,災害直後に特にラジオが使用されたことなどが紹介されました.また,塚田先生が現在開発中の可視光を用いた情報伝達手法の紹介もあり,参加者は熱心に聞き入っていました.
講師の塚田先生
カフェの様子
阪神淡路大震災と東日本大震災での情報伝達方法の違い
田辺市会場
リアルな防災対策
今西武(和歌山大学災害科学教育研究センター 客員教授)
9月29日(土)に,田辺市消防本部にて,2018年度の第5回(田辺市会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の今西武氏が講師を務め,「リアルな防災対策」というタイトルで,自主防災組織の運営や心構え・地域防災力の向上に有効な対策などについてわかりやすくご紹介いただきました.
まず,東日本大震災の記録映像の上映があり,自主防災を考える上で,震災による悲しみ・絶望感などの感情が,自主防災を真剣に行う原動力になることを再確認しました.そのあと,活発に活動・成果をあげている自主防災組織の特徴について説明があり,特に若者や女性の重要性などに言及がありました.参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
質疑応答では,具体的にどのように自主防災組織を運営すべきかなどについて議論がありました.特に,障がい者などの災害弱者に対して自主防災組織ができることなどについて活発に議論がなされ,建設的に情報交換がなされていました.
講師の今西先生
カフェの様子
ビデオ上映の様子
和歌山市会場
リアルな防災対策
今西武(和歌山大学災害科学教育研究センター 客員教授)
8月7日(火)に,和歌山県民文化会館にて,2018年度の第4回(和歌山会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の今西武氏が講師を務め,「リアルな防災対策」というタイトルで,自主防災組織の運営や心構え,地域防災力の向上に有効な対策などについてわかりやすくご紹介いただきました.
まず,東日本大震災の記録映像の上映があり,震災による悲しみ・絶望感などの感情が,自主防災を真剣に行う原動力になることを再確認しました.そのあと,活発に活動・成果をあげている自主防災組織の特徴について説明があり,特に若者や女性の重要性などに言及がありました.参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
質疑応答では,具体的にどのように自主防災組織を運営すべきかなどについて,議論がありました.
講師の今西先生
カフェの様子
広川町会場
南海トラフ地震への近畿地方整備局の取り組み
井上貴嗣(近畿地方整備局 企画部 防災課)
7月21日(土)に,和歌山県広川町の稲むらの火の館にて,2018年度の第3回(広川町会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,当初講師としてお招きしていた近畿地方整備局 総括防災調整官の板垣勝則氏が西日本豪雨の対応のため来られなくなったため,同防災課の井上貴嗣氏が講師を務められました.タイトルは「南海トラフ地震への近畿地方整備局の取り組み」で,被害の概要や発生メカニズム,近畿地方整備局が考える対処策などについてわかりやすくご紹介いただきました.
まず,南海トラフ地震発生のバックグラウンドの知見について紹介があり,東日本大震災との比較などによる詳細な説明がありました.また,近畿地方整備局の想定する初動対応や初動部隊であるTEC-FORCE,地元建設業者の役割などについてもわかりやすく説明があり,参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
質疑応答では,南海トラフ地震で考えられる被害や地殻変動,対策に関する情報アプリなどについての質問がでました.
会場の様子
講師の井上貴嗣氏
紀伊半島沿岸域における被害想定と対策
向陽高校
情報通信技術を用いた防災支援システム
~スマホやタブレットを使った防災アプリ~
吉野孝(和歌山大学システム工学部 教授)
7月18日(水)に,和歌山県和歌山市 向陽高校にて,2018年度の高校生向け第1回 ワダイの防災カフェが開催されました.地域防災力の強化に若者の防災知識獲得が有益であるという考えから生まれた高校生を対象とした初めての試みです.
今回は,和歌山大学システム工学部の吉野孝氏を講師にお招きし,「情報通信技術を用いた 防災支援システム」と題し,スマートフォンに代表される身近な情報通信技術を用いた災害時支援のお話を中心に,開発が進む防災アプリ等についてご紹介いただきました.
具体的には,スマートフォンにインストール可能な,ネットワークが切れた場合においても出張先等で防災情報を提供するアプリ等について紹介いただきました.また,スマートフォンやタブレットを持っていれば誰でも利用可能な地震体験アプリの開発などにも触れ,参加者の高校生たちは熱心に耳を傾けておりました.
防災カフェの後には質疑応答が行われ,活発な議論が行われました.
会場の様子
講師の吉野孝先生
カフェ後の質問・議論の様子
広川町会場
想定外の豪雨災害に備える ~破滅的災害にいたるプロセス,紀伊半島大水害の3つの不思議,保水力の限界は?~
後誠介(和歌山大学災害科学教育研究センター 客員教授)
6月16日(土)に,和歌山県広川町の稲むらの火の館にて,2018年度の第1回(広川町会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センターの後誠介氏を講師にお招きし,「想定外の豪雨災害に備える ~破滅的災害にいたるプロセス,紀伊半島大水害の3つの不思議,保水力の限界は?~」と題し,2011年に発生した紀伊半島大水害の事例を中心に,被害の概要や発生メカニズムなどについてわかりやすくご紹介いただきました.
まず,紀伊半島大水害で発生した土砂災害の特徴と,発生した場所,地質などをご説明いただき,土砂災害の形態がその土地の地質に大きく影響を受けていることなどを,実例をもって紹介いただきました.また,その中で実際に被災された方がどういった体験をなされたか,皆さん口をそろえて「みるみるうちに水が来た」と言っていたことなどを取り上げ,大雨によって,なぜ状況が急激に悪化するのかについてもわかりやすく説明があり,参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
質疑応答では,河川管理などの課題について活発な意見交換が行われました.
会場の「稲むらの火の館」
会場の様子
講師の後誠介先生
カフェの様子
2017年度 開催報告
2017年度は全て終了しました。- 広川町会場
- 第1回
那智勝浦町会場
発災後,被災地で如何に情報を共有するか ~Old Mediaのラジオを見直す~
佐藤周(和歌山大学経済学部 教授)
2月3日(土)に,和歌山県土砂災害啓発センターにて2017年度の第10回(那智勝浦町会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学経済学部教授の佐藤周氏を講師にお招きし,「発災後,被災地で如何に情報を共有するか ~Old Mediaのラジオを見直す~」と題し, 被災地での情報収集の方法や課題,ラジオの優位性や現状のメディアが持つ課題などについてご紹介いただきました.
まず,東日本大震災や熊本地震でのラジオの利用,電源を必要としないことから電力の供給がない発災直後から数日間におけるラジオの利点などをお話しいただきました.また,和歌山県内の市町村が行うラジオによる災害情報発信への取り組みの事例をご紹介いただき,人員の確保の難しさやラジオの金銭的な優位性など,ラジオ活用の現場からの声をご紹介いただきました.この中で,ラジオで災害情報発信を行うしくみや設備投資に要する費用,人材育成に関する詳細な説明があり,参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
また,質疑応答では地方自治体が抱える情報発信の課題などについて活発な意見交換が行われました.
講師の佐藤先生
防災カフェの様子
災害時の情報格差と情報的な孤立の問題
質疑応答の様子
那智勝浦町会場
新たな切り口で紀伊半島大水害を分析する
坂口武弘(和歌山県土砂災害啓発センター所長)
12月9日(土)に,和歌山県土砂災害啓発センターにて2017年度の第9回(那智勝浦町会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,土砂災害啓発センターの所長を務める坂口武弘氏を講師にお招きし, 「新たな切り口で紀伊半島大水害を分析する」と題し,2011年に発生した紀伊半島大水害についての昨今の研究動向を講演いただきました.
具体的には,土砂災害が発生した場所の地質・傾斜・植生など各データをたくさん収集したデータベースに対して, データマイニング(ラフ集合論)と呼ばれる手法を適用することで,崩壊が起こりやすいと考えられる場所を抽出するという内容です. 科学的な手法ですが,身近な事例を例に挙げながらわかりやすく紹介いただき,参加者は終始聞き入っておりました.
また,同センターに設置されている土砂災害の模型を用いた実験も行い,砂防堰堤の効果などを説明してもらいました.
質疑応答では,参加者の皆様のご自宅の危険性の判断方法などについて活発な意見交換が行われました.
講師の坂口氏
土砂災害のメカニズムをわかりやすく解説
データマイニングとは
模型実験による土石流と砂防堰堤の効果
田辺市会場
情報通信技術を用いた防災支援システム
吉野孝(和歌山大学システム工学部 教授)
12月2日(土)に,田辺市消防本部にて,2017年度の第8回(田辺市会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学システム工学部の吉野孝教授を講師にお招きし,「情報通信技術を用いた防災支援システム」と題し, スマホやタブレットで利用できる防災情報共有・支援システムについて講演いただきました.
避難場所やAED,危険箇所などの避難支援情報の閲覧と追加ができる「あかりマップ」や, Twitterを用いて時節のニュースや防災に関する情報を4コマ漫画で提供する「あかりマップbot」など, 吉野研究室で開発している防災アプリについてご紹介いただきました.
また,参加者にはタブレットを操作し,地域の災害リスク情報を確認したり防災マップを作成したりできる「あがらマップ」と, 避難場所からの移動時間を計算し,避難地図を作成できる「逃げシルベ」を実際に体験してもらいました.
質疑応答では,高齢者にとっても利用しやすい情報提供方法や,いかに日頃から防災情報を意識するかなどについて活発な意見交換が行われました.
吉野教授による講演
質疑応答の様子
「あがらマップ」の体験
「逃げシルベ」の体験
田辺市会場
南海トラフ巨大地震
梅敷 寛(国土交通省近畿地方整備局 総括防災調整官)
11月11日(土)に,田辺市消防本部にて2017年度の第7回(田辺市会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,国土交通省近畿地方整備局総括防災調整感の梅敷寛氏を講師にお招きし,「南海トラフ巨大地震」と題し, 近い将来起こる可能性が高い東海・東南海・南海3連動地震や,想定しうる最大クラスの南海トラフ巨大地震について, 想定されている被害状況や土木構造物の防災対策などについてご紹介いただきました.
南海トラフ巨大地震では特に和歌山県沿岸部で甚大な津波被害が見込まれているため, 速やかな機能回復ができるようにインフラ基礎部の補強や施設の耐震化や,道路開発計画の検討により, 防災・減災対策が実施されていることをお話いただきました.
また,質疑応答では,インフラの維持管理が重要であることや,ホームページを通じた被害想定の情報発信などについて活発な意見交換が行われました.
講師の梅敷氏
講演の様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
那智勝浦町会場
防災によるコミュニティづくり
中筋章夫(和歌山大学災害科学教育研究センター 教育研究アドバイザー)
11月11日(土),那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センターにて,2017年度の第6回(那智勝浦町会場)ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は和歌山大学災害科学教育研究センター 教育研究アドバイザーの中筋章夫氏に 「防災によるコミュニティづくり」 というタイトルで, 自主防災組織の意義や実際の災害現場における働き,日ごろの心がけなどに関してお話をしていただきました.
カフェは平成29年台風第21号で浸水被害を受けた地区での災害ボランティアの話から始まり,自主防災組織が日ごろ活動する上で配慮すべき事柄や, 実践的な防災訓練・避難所運営のポイント・実用的な防災マップの作成方法など,具体的かつ役に立つ自助の方法についてお話しいただきました. 参加者の中にも自主防災組織のメンバー・防災士・高校生などが多数参加されており,活発な議論が行われました.
講師の中筋氏
講演の様子
田辺市会場
紀伊半島大水害の経験から備える
~破滅的災害に至るプロセス,災害の忘却と伝承,崩壊と地質体の特性~
後誠介(和歌山大学災害科学教育研究センター 客員教授)
10月14日(土)に,田辺市消防本部にて,第5回のワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の後誠介氏を講師にお招きし,「紀伊半島大水害の経験から備える」と題し, 2011年に発生した紀伊半島大水害の被害を例に,紀伊半島の特徴的な地質と被害状況との関係などについてご紹介いただきました.
紀伊半島大水害では被害にあった地域の特徴が明瞭で,斜面の向きによって崩壊や土石流など異なる災害が発生しており, 北山川中流では雨量が多かったにもかかわらずほとんど被害が無いことなど,水害と地質とが深く関係していることなどをお話しいただきました.
また,質疑応答では,日常目にする風景から防災意識をいかに変えられるかなどについて,活発な意見交換が行われました.
講師の後客員教授
講演の様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
和歌山市会場
発災後,被災地で如何に情報を共有するか
~Old Mediaのラジオを見直す~
佐藤周(和歌山大学経済学部 教授)
10月3日(火)に,和歌山県民文化会館にて,紀北地域の第4回ワダイの防災カフェが開催されました.
東日本大震災や熊本地震でのラジオの利用,電源を必要としないことから電力の供給がない発災直後から数日間におけるラジオの利点, 和歌山県内の市町村が行うラジオによる災害情報発信への取り組みなどをお話しいただきました. また,ラジオで災害情報発信を行う仕組みや設備投資に要する費用,人災育成に関する詳細な説明があり,参加者の皆様は熱心に耳を傾けておりました.
また,質疑応答では地方自治体が抱える情報発信の課題などについて活発な意見交換が行われました.
講師の佐藤周先生
防災カフェの様子
情報の「性質」の違い
時間とともに必要な情報が変化する
和歌山市会場
紀伊半島大水害の経験から備える
~破滅的災害に至るプロセス,災害の忘却と伝承,崩壊と地質体の特性~
後誠介(和歌山大学災害科学教育研究センター 客員教授)
9月5日(火)に,和歌山県民文化会館いて,紀北地域の第3回ワダイの防災カフェが開催されました.
今回は,和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の後誠介氏を講師にお招きし,「紀伊半島大水害の経験から備える」と題し, 紀伊半島大水害や7月に発生した九州北部豪雨などの,土砂災害による被災状況と地形との関係についてご紹介いただきました.
紀伊半島大水害では短時間での大雨に加えて,長い年月をかけて形成された地質が影響していること,土砂災害が起こりやすい地形の特徴, 浸水への備えなどをお話しいただきました.
また,質疑応答では今後自治体が取り組むべき課題などについて活発な意見交換が行われました.
九州北部豪雨でも見られた被害の特徴
紀伊半島大水害による被害状況
復旧には浸水への備えが必要
質疑応答の様子
和歌山市会場
防災によるコミュニティづくり
中筋章夫(和歌山大学災害科学教育研究センター 教育研究アドバイザー)
8月1日(火)、和歌山市の和歌山県民文化会館にて、2017年度の第2回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学災害科学教育研究センター 教育研究アドバイザーの中筋章夫氏に 「防災によるコミュニティづくり」 というタイトルで、 自主防災組織の意義や実際の災害現場における働き、日ごろの心がけなどに関してお話をしていただきました。
カフェの中では、自主防災組織が日ごろ活動する上で配慮すべき事柄や、実践的な防災訓練、実用的な防災マップの作成方法など、 具体的かつ役に立つ自助の方法についてお話しいただきました。参加者の中にも自主防災組織のメンバーの方が多数参加されており、 活発な議論が行われました。
地域防災が機能し犠牲者0を達成した事例
地域の住民が作成した避難マップ
小学校から地域防災へ
参加者と講師の議論の様子
広川町会場
皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるのかな ~これからの災害への備えについて考えよう~
此松昌彦(和歌山大学教育学部・教授)
7月22日(土)、和歌山県広川町の稲むらの火の館にて、2017年度の第1回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学教育学部(同大学災害科学教育研究センター・センター長)の此松昌彦教授に 「皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるのかな ~これからの災害への備えについて考えよう~」 というタイトルで、 地震災害、特に南海トラフ地震とそれに伴う津波被害に関してお話をしていただきました。
カフェの中では、実践的な災害への備えや広川町の津波被害が想定される地域などについて具体的にお話しいただきました。 参加者の皆様も津波防災に関して意識が高く、活発な議論となりました。
会場「稲むらの火の館」
広川町で想定される地震の震度マップ
安政南海地震の津波の様子
第2回講師の中筋氏も交えた議論
2016年度 開催報告
2016年度は全て終了しました。紀南 第5回
紀伊半島大水害
坂口武弘(和歌山県土砂災害啓発センター 所長)
1月21日、和歌山県土砂災害啓発センターにて、紀南第5回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山県土砂災害啓発センター所長の坂口武弘様を講師にお招きし、「紀伊半島大水害」というタイトルで、 2011年9月に発生した那智勝浦町の土石流被害に関する内容を中心にお話しいただきました。 また2種類の実験装置を使って、土石流の発生メカニズムについて解説していただきました。
実験装置の一つは縦横2メートル四方ほどの大きさで、渓流上部で土石流が発生し集落を破壊する様子や、 砂防堰堤を設置した場合に土石流が食い止められる様子などがよく分かるものとなっていました。 またもう一つの実験装置からは、従来のコンクリート堰堤と透過型堰堤で土石流の捕捉の状態が異なることなどが見て取れました。
カフェには30名ほどの地域住民の皆様などにお集まりいただき、 参加者の皆様は土石流の実験を熱心に観察しておりました。 また実験後は、参加者の皆様と講師とで活発な議論が行われておりました。
カフェと実験の様子
土石流の大型模型
砂防堰堤で土石流が食い止められる様子
土石流のメカニズム解明を目指した実験装置
紀北 第5回
南海トラフ巨大地震
田中貢(国土交通省近畿地方整備局 総括防災調整官)
1月11日、和歌山県県民文化会館にて、紀北地域の第5回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は国土交通省近畿地方整備局の田中貢様を講師にお招きし「南海トラフ巨大地震」について というタイトルで、南海トラフ地震の想定を中心にしながら、災害に対する国の体制を幅広くご紹介いただきました。
今回のカフェでは、国土交通省の組織や防災・減災対策への取り組みについて紹介いただき、 また阪神淡路大震災や平成23年の東日本大震災、同年の紀伊半島大水害などに触れ、 日本の国土が災害に対していかに脆弱かを分かりやすくご説明していただきました。
南海トラフ巨大地震については、津波や地震動、またそれに伴う交通機関の被害や火災など、 地震に伴う様々な災害に関して近畿地方整備局の想定をご紹介いただきました。 その中で、災害時における道路の重要性や、緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の活動、 日ごろの備えなどについてご説明いただき、参加者の皆様は熱心に聞き入っていました。
カフェ開催後には、国の災害対策の在り方などについて 参加者の皆様と講師とで活発な意見交換が行われていました。
講師とカフェの風景
津波の脅威(東日本大震災)
災害時の道路のネットワーク性の大切さ
参加者・講師・司会間の活発な議論
紀南 第4回
土砂災害のための小型探索ロボットシステム
徳田献一(和歌山大学システム工学部 助教)
12月10日、和歌山県土砂災害啓発センターにて、紀南第4回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学システム工学部の徳田献一助教に「土砂災害のための小型探索ロボットシステム」 というタイトルで、災害救助ロボットに関する話題をご提供いただきました。
カフェの中では、災害救助ロボットの開発の歴史や現在行われているロボットの開発と利用に関して、 徳田先生の実体験に基づき紹介していただきました。
会場では、災害時に危険な場所を探索することを目的に開発を行っているロボットの試作版を お持ちいただき、実際のロボットがどのようなコンセプトで開発されているかなど、具体例を挙げながら ご説明いただきました。
カフェ開催後には、ご参加いただいた高校生や一般の方々との活発な意見交換が行われ、 ロボット開発の面白さと難しさについて議論しておりました。
講師の徳田献一先生
自作の災害用ロボット
ロボットの実演
高校生の参加者と議論を深める
紀北 第4回
土砂災害のための小型探索ロボットシステム
徳田献一(和歌山大学システム工学部 助教)
12月8日、和歌山県県民文化会館にて、紀北第4回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学システム工学部の徳田献一助教に「土砂災害のための小型探索ロボットシステム」 というタイトルで、災害救助ロボットに関する話題をご提供いただきました。
カフェの中では、災害救助ロボットの開発の歴史や現在行われているロボットの開発と利用に関して、 徳田先生の実体験に基づき紹介していただきました。
会場では、災害時に危険な場所を探索することを目的に開発を行っているロボットの試作版を お持ちいただき、実際のロボットがどのようなコンセプトで開発されているかなど、具体例を挙げながら ご説明いただきました。
質疑応答では、どのようなロボットがあると役に立つかなどの活発な意見交換が行われていました。
講師の徳田献一先生
ロボット開発の現場
災害救助ロボット開発のはじまり
開発されたロボット
紀南 第3回
皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるのかな ~これからの災害への備えについて考えよう~
此松昌彦(和歌山大学教育学部・教授)
11月19日、和歌山県土砂災害啓発センターにて、紀南地域の第3回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学教育学部(同大学災害科学教育研究センター・センター長)の此松昌彦教授に 「皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるのかな ~これからの災害への備えについて考えよう~」 というタイトルで、 地震災害を中心としたお話をしていただきました。
この日は、開催時間の直前に和歌山県南部を震源とする地震が起き、会場付近も震度3程度の揺れが発生したため、 この地震についての解説もしていただきました。
カフェの中では、実践的な災害への備えや被害の大きくなりやすい場所などについてお話しいただきながら、 実際の地震計装置のデモや家の耐震構造がわかる紙模型の作製など体験していただきました。
当日直前に起きた地震について解説中
紙模型作成中
完成した紙模型
紙模型を使った耐震構造の解説中
紀北 第3回
伝統的民家の特色から見た自然災害への備え
本塚智貴(人と未来防災センター・研究員)
11月9日(水)、和歌山県県民文化会館にて、紀北第3回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は兵庫県神戸市にある「人と防災未来センター」の本塚智貴氏をお招きし、 「伝統的民家の特色から見た自然災害への備え」というタイトルでお話をいただきました。
本塚氏の専門は建築学で、日本各地の古民家の成り立ちと地域ごとの特性について研究しています。今回の防災カフェでは、 地域の人々が昔から続く日々の営みの中でどのように災害と向き合ってきたのかについて、 特に生活の基盤であった古民家・建築物に着目してご紹介をいただきました。 参加者の皆様の中には、ご自宅が伝統的な家屋である方もおられ、活発な議論が行われておりました。
また本塚氏は今年度発生した熊本地震の際に現地調査に行かれており、地震による建築物の被害状況についてもご報告いただき、 参加者の皆様は興味深く聞き入っていました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
ワダイの防災カフェ(紀北第3回)開催
古民家の形は地域ごとに様々
災害と建築物について、活発に議論
熊本地震の被災状況もご報告いただきました
紀南 第2回
情報通信技術を用いた災害時支援システム
吉野孝(和歌山大学システム工学部・教授)
10月15日(土)、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センターにて、紀南第2回ワダイの防災カフェが開催されました。
紀北会場と同じく、和歌山大学システム工学部の吉野孝先生に「情報通信技術を用いた災害時支援システム」というタイトルで、 情報通信技術を用いた災害時と災害前の取り組みについて紹介していただきました。
定員を上回る20名以上の参加があり、盛況な防災カフェとなりました。今回は吉野先生の研究室が開発を進める災害時支援システム 「あかりマップ」「あかりマップbot」「防災マップ作成支援システム」など、スマートフォンを用いた災害情報取得システムについて実演を交えながらご紹介いただきました。
参加者の皆様も、質問や実際に防災マップ作成支援システムを操作するなど、積極的に防災学習に取り組まれていました。
講師の吉野孝先生は情報工学の専門家
第1回に引き続き今回も大盛況!
防災マップ作成支援システム
~自分で防災マップを作ってみよう!~
ツイッターとマンガで防災学習
~あかりマップ&あかりマップbot~
紀北 第2回
情報通信技術を用いた災害時支援システム
吉野孝(和歌山大学システム工学部・教授)
10月12日(水)、和歌山県県民文化会館にて、紀北第2回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学システム工学部の吉野孝先生に「情報通信技術を用いた災害時支援システム」というタイトルでお話をいただきました。
当日は、吉野先生の研究室が開発したスマートフォンで利用可能な災害時支援アプリ「あかりマップ」、「あかりマップbot」などを紹介していただきました。 また、吉野先生の研究室が開発を進めるスマートフォンの防災マップ作成支援システムについて、参加者の皆様に実際に操作を体験していただきました。
初めてスマートフォンを触る方もいらっしゃいましたが、ご自身の自宅周辺の防災情報を確認するなど熱心に操作されていました。
ワダイの防災カフェ(紀北第2回)開催
あかりマップ操作画面
紀北 第1回
「皆さんの地域ではどのような災害リスクがあるかな ~これからの災害への備えについて考えよう~」
此松昌彦(和歌山大学教育学部・教授)
9月14日、和歌山県県民文化会館にて、紀南地域に引き続き紀北地域の第1回ワダイの防災カフェが開催されました。
今回は和歌山大学教育学部(同大学災害科学教育研究センター・センター長)の此松昌彦教授に「皆さんの地域ではどんな災害リスクがあるのかな ~これからの災害への備えについて考えよう~」 というタイトルで、地震災害を中心としたお話をしていただきました。
カフェの中では、実践的な災害への備えや被害の大きくなりやすい場所などについてお話しいただきながら、実際の地震計や液状化の原理がわかる装置などをお見せし、 参加者の皆様は熱心に聞き入っていました。
ワダイの防災カフェ(紀北第1回)開催
実際の地震計(左)、机に乗るサイズ
和歌山市の地形は?
たくさんの質問と議論
紀南 第1回
「観光+防災=防災ジオツアー ~ジオパークを利用した地域防災の担い手育成~」
本塚智貴(人と未来防災センター・研究員)
9月10日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センターにて、第1回ワダイの防災カフェが開催され、 人と防災未来センターの本塚智貴氏を講師に迎え、 「観光+防災=防災ジオツアー ~ジオパークを利用した地域防災の担い手育成~」というタイトルで、 ジオツアーの実例や防災に関する研究など様々な取り組みについてご紹介いただきました。
当日は、定員を上回る多くの方にご参加いただき、飲み物とお菓子を楽しみながらリラックスした雰囲気で進められました。
お話しの途中には講師の先生が会場を回りながら参加者にクイズを出題したり、 参加者からの質問に答えたりと、双方向の意見交換が活発に行われました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
第1回ワダイの防災カフェ開催
トークの中ではたくさんのクイズを出題
たくさんのクイズを参加者の皆様に出題
和やかな雰囲気でのトーク