7、スイッチ 富田晃彦 (教育学部教員) ピタゴラスイッチ、ではありません。まだ早過ぎます。 妻が妊娠後期に入った時、町の中で多くの妊婦さんを見ました。妻と同時に妊 娠した人が多かったわけではありません。変な表現ですね。 妻のお腹が大きくなる前は、お腹の大きな女性にあまり気がつきませんでした。 妻のお腹が大きくなってから、同じような人がこんなにいるのか、と気がつき ました。なるほど、見近に例があると見えてくるものがあるな... しかしこれは恐ろしい。今まで見えていなかったということは、これまでの私 の言動において、何か気の利かないことがあった可能性が大きい。身近な例を 持っていないために、まだ見えていない事項も山のようにあるわけだ。私はそ れなりに教育を受けてきたつもりではありましたが、修行不足の恐怖を一気に 感じた瞬間でもありました (冷汗)。 妻も私も、出産前までは育児に色々不安を持っていました。出産後、毎日のど たばたを通して、子への愛情が大きくなるのを自分たちも感じました。それは 事前に発現していたものではなく、経験を通してスイッチが入っていったもの でした。妻と育児をすることで、オンになったスイッチはいくつもありました。 私は仕事の際、責任感だとか連帯感だとかを意識しますが、これもある時期に スイッチが入ったものです。今から思うと「○○歳の時は、どうしようもない 人間だったな」(今ももちろん発展途上ですが、その今から見ても、というこ とです) と頭をかかえることがあります。そのスイッチがオンになったきっか けは何だったのか、今では分からないことがほとんどです。 さて学生を見て「もうちょっと頑張ってくれよ」と思うことは、しょっちゅう です。しかし、学生の「スイッチ」をオンにするための効果的な指導をしてき たか? 子への愛情のスイッチがオンになった時、このことが急に心配になりま した。そのつもりではあったが、実はこういう点から考えて素人の指導をして いたのかも... いい指導を頂いたと後から思う、というのは、きっと大事なス イッチをオンにしてくれたものに違いない。 復職が近づいてきたからか、ちょっと気が重い。続きは次号にて。