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| 科目一覧へ戻る | 2026/04/06 現在 |
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開講科目名 /Course |
有機電子デバイス工学/Physics and Engineering of Organic Electronic Devices |
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時間割コード /Course Code |
S2201482_S6 |
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開講所属 /Course Offered by |
システム工学研究科/Graduate School of Systems Engineering |
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ターム・学期 /Term・Semester |
2026年度/Academic Year 第1クォーター/1Q |
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曜限 /Day, Period |
金/Fri 2 |
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開講区分 /Semester offered |
第1クォーター/1Q |
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単位数 /Credits |
1.0 |
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学年 /Year |
1,2 |
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主担当教員 /Main Instructor |
下谷 秀和 |
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授業形態 /Lecture Form |
講義 |
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教室 /Classroom |
北1号館A203/北1号館A203 |
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開講形態 /Course Format |
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ディプロマポリシー情報 /Diploma Policy |
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教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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| 下谷 秀和 | システム工学部(教員) |
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授業の概要・ねらい /Course Aims |
本講義では、シリコン等の無機半導体とは異なる物理基盤を持つ「有機半導体」の電子物性とデバイス応用について、学生自らがその原理を紐解き、設計指針を導き出せる能力を身につけます。 現在のエレクトロニクスは、硬い無機結晶から、柔軟で軽量な「ソフトマテリアル」へと領域を拡大しています。学生は、分子の自己組織化や非平衡状態での電荷輸送といった有機特有の物理現象を学ぶことで、既存の半導体工学の枠組みを超えた柔軟な思考力を養います。本科目を学修する意義は、将来のプリンテッド・エレクトロニクスやバイオエレクトロニクス分野の研究・開発において、デバイスの性能限界を物理的に特定し、課題解決(トラブルシューティング)を行うための「理論的羅針盤」を獲得することにあります。システム工学研究科において、材料物性(ミクロ)とデバイスシステム(マクロ)を繋ぐ学際的な視点を持つことは、高度専門職業人として卒業後のキャリア形成において大きな強みとなります。 | ||||
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到達目標 /Course Objectives |
本講義の終了時点で、学生は以下の項目について実践できるようになります。 ・有機半導体の電子構造を、無機半導体のバンド理論との対比において図示し、π電子共役系の役割を物理的なキーワードを用いて説明することができる。 ・キャリア輸送における各種モデルの数式に基づき、移動度の電界依存性および温度依存性のグラフを正しく解釈し、記述することができる。 ・空間電荷制限電流(SCLC)の理論式の成立条件を踏まえ、与えられた電流-電圧データからキャリア移動度を定量的に算出することができる。 ・有機/金属界面のエネルギーダイアグラムを、真空準位シフトや界面双極子の概念を取り入れて作図し、電荷注入障壁の形成要因を論理的に説明することができる。 ・有機電界効果トランジスタ(OFET)の特性曲線(出力・伝達特性)から、電界効果移動度および閾値電圧を、線形領域と飽和領域の各動作式を使い分けて導出することができる。 ・有機発光トランジスタ、有機電気二重層トランジスタ、有機電気化学トランジスタなどの発展型OFETの動作原理と特徴を述べることができる。 |
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成績評価の方法・基準 /Grading Policies/Criteria |
(a) 毎回の小テスト(35点)、(b) 期末試験(100点)を元に、総合点を以下の式で算出します。 a + b × (100 - a) / 100 期末試験には「到達目標」の達成度を測るために、物性パラメータの算出、バンド図の描画、デバイスの動作原理などの問題を出題します。 |
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教科書 /Textbook |
資料を配布します。 | ||||
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参考書・参考文献 /Reference Book |
「有機半導体のデバイス物性」、安達 千波矢 編、講談社、ISBN:9784061543546 | ||||
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履修上の注意 ・メッセージ /Notice for Students |
固体物理学の基礎(バンド理論等)を用いますが、必要に応じて初等的な復習を交えます。数式を「暗記」するのではなく、その数式がどのような物理的背景から導かれているのかを常に意識して受講してください。 | ||||
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履修を推奨する関連科目 /Related Courses |
以下の科目が本講義と関連しますが,未履修であっても受講に支障はありません。 半導体デバイス工学A・B: 無機半導体の理想的なpn接合やFETの動作を理解しておくことで、有機半導体特有の特性の理解が深まります。 有機エレクトロニクス材料概論A・B:有機デバイスに用いられている材料の特性と合成についての理解を深められます。 |
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授業時間外学修(予習・復習等)の内容 /students learning outside of the class, preparation and review are included |
事前にMoodleにアップロードされる資料を授業までに読んで、疑問点を整理しておいてください。 授業中に行う練習問題を自力で解けるように復習してください。 |
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その他連絡事項 /Other messages |
記載事項なし | ||||
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授業理解を深める方法 /How to deepen your understanding of classes |
授業中に行う練習問題を解けないままにしておかず、類似問題を自力で解けるようになるまで復習してください。その過程での不明な点は担当教員に質問して疑問のまま残さないようにしましょう。【「アクティブ・ラーニング」実施要項(11)】 | ||||
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オフィスアワー /Office Hours |
質問等は授業時間後か、それ以外の時間はメールまたはMoodleのメッセージ機能で受け付けます。 | ||||
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科目ナンバリング /Course Numbering |
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実務経験のある教員等による授業科目 /Practical Experience |
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| No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole course |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考(担当) /Notes |
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| 1 | 1 | 有機半導体の電子状態 | 有機半導体デバイスの特徴と、本科目で扱う電子物性・輸送・界面物理の全体像について講義を行う。無機半導体との相違点を、結晶性、結合様式、エネルギー準位の観点から整理し、有機半導体特有の物理的課題を理解する。(参考書第1~2章,第3章第1節) | |
| 2 | 2 | 有機半導体におけるキャリア輸送 | 分子性結晶および有機アモルファス固体中のキャリア輸送メカニズムについてバンド伝導とホッピング伝導を対比させて学ぶ。(参考書第4章第1, 2節) | |
| 3 | 3 | デバイスの電気特性とキャリア移動度の評価 | 有機半導体デバイスにおける電流―電圧特性を解析するための代表的なモデルについて、適用条件とそれらを用いた解析法について学ぶ。また、キャリア輸送特性の測定法とそのデータの解析方法を学ぶ。(参考書第4章第3, 4節) | |
| 4 | 4 | 有機/金属界面のエネルギー構造と注入物理 | 金属電極と有機半導体の界面の電子構造を説明し,電極から有機半導体へのキャリア注入機構を学ぶ。(参考書第3章第2, 4節) | |
| 5 | 5 | 有機電界効果トランジスタ(OFET)の動作原理 | 有機トランジスタの基本構造(ボトムゲート/トップゲート等)と、ゲート電圧によるキャリア蓄積・チャネル形成の物理について講義を行う。線形領域および飽和領域におけるドレイン電流式を導出し、無機FET(反転層型)との動作原理の違いを明確にする。(参考書第9章第1, 2節) | |
| 6 | 6 | OFETの高性能化技術 | トランジスタの高性能化に不可欠な接触抵抗の低減、界面改質、および分子配向制御について講義を行う。単結晶デバイスにおけるバンド伝導的挙動について議論する。 | |
| 7 | 7 | OFETの発展型デバイス | 有機発光トランジスタや電気二重層トランジスタ、電気化学トランジスタなどのOFETから派生したデバイスを紹介する。(参考書第9章第4節) | |
| 8 | 8 | まとめと期末試験 | 第1回から第7回までの講義内容の総括を行い、到達目標の達成度を確認するための期末試験を実施する。 |