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科目一覧へ戻る | 2024/09/12 現在 |
開講科目名 /Course |
物理有機化学/Physical Organic Chemistry | |||||||||
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時間割コード /Course Code |
S2201000_S6 | |||||||||
開講所属 /Course Offered by |
システム工学研究科/Graduate School of Systems Engineering | |||||||||
ターム・学期 /Term・Semester |
2024年度/Academic Year 第4クォーター/4Q | |||||||||
曜限 /Day, Period |
水/Wed 1 | |||||||||
開講区分 /Semester offered |
第4クォーター/4Q | |||||||||
単位数 /Credits |
1.0 | |||||||||
学年 /Year |
1,2 | |||||||||
主担当教員 /Main Instructor |
奥野 恒久/Tsunehisa Okuno | |||||||||
科目区分 /Course Group |
_ | |||||||||
授業形態 /Lecture Form |
講義 | |||||||||
教室 /Classroom |
北3号館B202/北3号館B202 | |||||||||
開講形態 /Course Format |
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ディプロマポリシー情報 /Diploma Policy |
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教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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奥野 恒久/Tsunehisa Okuno | システム工学部(教員) |
授業の概要・ねらい /Course Aims |
機能性を示す有機化合物が種々のデバイスの中で用いられています。有望な機能をもつ分子を合成するためには、まず分子を設計する必要があります。近年、量子化学計算が普及し、容易に計算機実験を行えるようになりました。但しその基本となるのは、化学結合です。 最初に化学の中で用いられる統計力学について講義します。学生のみなさんにはボルツマン分布を使いこなる能力を身に着けます。講義の前半では分子軌道の理解を深めるべく、3原子分子程度までの分子の分子軌道を再確認します。学生のみなさんは分子軌道論を深く理解することになります。その理解の元に、光と分子との相互作用、ならびに有機光デバイスの根幹となる概念を講義していきます。学生のみなさんには基底状態から励起状態への遷移・緩和について理解します。本講義内容を理解することが、分子性機能性物質の深い理解に繋がっていきます。 |
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到達目標 /Course Objectives |
化学結合ならびに分子の電子状態と、反応性や諸物性とを関連付けて考えられるようになれば可の単位認定を行う。更に反応性、固体物性、有機デバイスに関して、理解の上で説明できるようになれば、程度に応じて、良や優の評価を与える。 具体的な到達目標は次の通りである。 ・【統計力学】ボルツマン分布の計算式に従い、分布を計算できる。分布からエネルギー差を求めることができる。 ・【分子軌道論】結合の分極を化学結合の観点から説明できる。 ・【分子軌道論】混成軌道の波動関数を線型結合の形で記述することができる。 ・【分子軌道論の応用】軌道のs性の式が導け、構造に適用することができる。 ・【分子軌道論の応用】炭素陰イオンの構造・安定性を説明することができる。 ・【分子軌道論の応用】炭素陽イオンの構造・安定性を説明することができる。 ・【分子軌道論】3原子分子の分子構造をWalsh Diagram で説明することができる。 ・【光化学】励起状態への遷移について説明することができる。 ・【光化学】励起状態からの緩和について説明することができる。 ・【光化学反応】有機反応を軌道対称性から説明することができる。 |
成績評価の方法・基準 /Grading Policies/Criteria |
単位認定試験(60%)とレポート(40%)とから、総合的に判断する。 |
教科書 /Textbook |
「基礎量子化学」 友田修司著、東京大学出版(4200円+税)、ISBN978-4-13-062504-3 |
参考書・参考文献 /Reference Book |
特に指定しない |
履修上の注意 ・メッセージ /Notice for Students |
講義内容に関連した英文の学術論文を読み、その内容を要約するというレポート課題を課します。レポートのファイルはPDF形式に変換し、論文のPDFファイルとともにMoodleで集めます。 |
履修する上で必要な事項 /Prerequisite |
学部で化学結合論の講義を受けているか、化学結合に関する論文を読んだことがないと講義内容を理解するのが相当に難しいと思います。 講義内容に関連した英文の学術論文を読み、その内容を要約するというレポート課題を課します。レポートのファイルはPDF形式に変換し、論文のPDFファイルとともにMoodleで集めます。 |
履修を推奨する関連科目 /Related Courses |
量子有機化学、分子結晶科学 |
授業時間外学修についての指示 /Instructions for studying outside class hours |
本授業の授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行ってください。さらに、授業内容に関連する課題に関する調査・考察を含めて、毎回の授業ごとに自主的学修を求めます。Moodle上でスライドを事前に公開します。予習に活用してください。演習課題をMoodle上に準備しますので、講義終了後に演習してください。 |
その他連絡事項 /Other messages |
自分自身の研究分野と近い部分は特に念入りに学んでください。自己登録を可能にしておきますので、講義の概要はMoodle上でわかるかと思います。 |
授業理解を深める方法 /How to deepen your understanding of classes |
一部の講義回(特に演習の要素が強い回)で反転講義を行います。 Moodleに記載しますので、事前に動画を視聴して講義に臨んでください。 【「アクティブ・ラーニング」実施要項③】 |
オフィスアワー /Office Hours |
随時:事前にメールでお知らせください。 |
科目ナンバリング /Course Numbering |
S33015J10199R504 |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考(担当) /Notes |
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1 | 第1回 | 分子を扱う上で必要となる概念の復習 |
誘電率、ボルツマン分布、周期律 |
対面での講義 |
2 | 第2回 | 軌道の混成 | 混成軌道とその作成方法、軌道のs性とp性、バナナボンド |
対面での講義 |
3 | 第3回 | 炭素陰イオンと陽イオン | 炭素陰イオンの構造と特性、酸性度 炭素陽イオンの構造と特性、安定性 |
対面での講義 |
4 | 第4回 | 化学結合1:水素原子から2原子分子へ・・ |
水素原子から水素分子、異核2原子分子と結合の分極 | 対面での講義 |
5 | 第5回 | 化学結合2:2原子分子、3原子分子 | 3原子分子、Walsh Diagram | 対面での講義 |
6 | 第6回 | 化学反応と軌道の対称性、光化学 | 化学反応と軌道の対称性、光化学 | 対面での講義 |
7 | 第7回 | 新しい分子間相互作用 | シグマホール、ハロゲン結合など | 対面での講義 |
8 | 第8回 | 全体の総括と試験 | 単位認定試験と講義の総括(オンデマンド) | 対面での試験 |