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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2022/05/09 現在

基本情報/Basic Information

遠隔授業(授業回数全体の半分以上)の場合は、科目名の先頭に◆が付加されています(2022年度以降)
開講科目名
/Course
無線通信システム/Wireless Communication Systems
時間割コード
/Course Code
S1405160_S1
開講所属
/Course Offered by
システム工学部/Faculty of Systems Engineering
ターム・学期
/Term・Semester
2022年度/Academic Year  第1クォーター/1Q
曜限
/Day, Period
火/Tue 4
開講区分
/Semester offered
前期/the former term
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
3,4
主担当教員
/Main Instructor
宮本 伸一
科目区分
/Course Group
_ 
授業形態
/Lecture Form
講義
教室
/Classroom
A103(北1号館)/A103(北1号館)
開講形態
/Course Format
ディプロマポリシー情報
/Diploma Policy
要件所属
/Course Name
ディプロマポリシー
/Diploma Policy
DP値
/DP Point
システム工学部 2.専門的知識や技能 7
システム工学部 3.課題解決力と自己学修能力 3

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
宮本 伸一 システム工学部(教員)
授業の概要・ねらい
/Course Aims
この授業では,無線による情報伝送技術の基礎として,
(1)信号とシステムの表現(時間波形,周波数スペクトル,インパルス応答,伝達関数)
(2)雑音(確率変数と確率過程)
(3)アナログ変復調技術
(4)信号検出理論
(5)ディジタル変復調技術
を中心とする情報を送受信するための信号処理技術を理解するとともに,多重化方式,多元接続方式,各種無線通信システム(移動体通信/衛星通信/レーダー) への応用について学習します.この授業を受講することにより,信号を用いてアナログ情報/ディジタル情報を伝送する原理を理解するとともに,それら変復調方式の性能(SN比,ビット誤り率)を評価できるようになることを目指します.
到達目標
/Course Objectives
(1)変調・復調の目的と動作原理,その特徴を説明できる.
(2)雑音などの劣化要因を確率・統計の観点から説明できる.
(3)各種アナログ変復調方式の伝送性能を求めることができる.
(4)アナログ通信方式とディジタル通信方式の違い,長短書を説明できる.
(5)各種ディジタル変調方式の誤り率特性を求めることができる.
成績評価の方法・基準
/Grading Policies/Criteria
試験(中間試験および単位認定試験)70%,課題(オンライン演習問題,ワークシート)30%で評価します.ただし,授業への出席回数,ワークシート提出回数(完成させたものの提出回数),オンライン演習問題解答回数が規定回数以下の場合には単位認定試験の受験を認めません(不可と判定します).
教科書
/Textbook
守倉正博(編著):通信方式(OHM大学テキストシリーズ), オーム社,  ISBN 978-4-274-21473-8,2,860円
参考書・参考文献
/Reference Book
滑川敏彦, 奥井重彦, 衣斐信介:通信方式(第2版),森北出版,ISBN 978-4-627-72662-8,3,080円
斉藤洋一:ディジタル無線通信の変復調,電子情報通信学会,ISBN 978-4-88552-135-5,4,230円
鈴木 博:ディジタル通信の基礎 ―ディジタル変復調による信号伝送ー,数理工学社,ISBN 978-4-901683-84-5,2,640円
※授業で使用しませんが発展的学習を行う際に参考になる書籍として紹介します.
履修上の注意 ・メッセージ
/Notice for Students
携帯電話や無線LANに代表される無線ネットワークはワイヤの束縛から解放する通信インフラとしての役割を果たすとともに,みなさんのライフスタイルにも大きな変革をもたらしてきました.
最先端の無線ネットワークにおいても,本講義で取り扱う通信工学が基礎技術となっています.
本講義は,通信事業者・放送事業者や通信機器メーカなどにおいて,通信工学に携わる技術者が備えるべき
基礎知識と理論の習得を目指します.
履修する上で必要な事項
/Prerequisite
この授業は無線通信方式に特化した決して安易な内容ではありません.授業内容を理解するためには,無線通信に関心を持っていることに加えて,(1)虚数単位と複素平面,(2)複素数の四則演算,(3)複素指数関数,(4)正弦波(cos波,sin波),(5)等速円運動・等速直線運動・等加速度運動,(6)三角関数の各種公式,(7)積分法(指数関数・三角関数を含む積分,部分積分,置換積分),(8)確率変数と確率過程(密度関数,分布関数,平均,分散など)に関する知識を備えている必要があります.
また,毎回の講義でオンライン演習問題とワークシート(A3サイズ/両面印刷/1~2枚)を課します.各自実施の上,指定された期日までに提出してください.
履修を推奨する関連科目
/Related Courses
あらかじめ『信号とシステム』を履修し,
(1)実数正弦波・複素正弦波
(2)スペクトル解析(フーリエ級数展開,フーリエ変換)
(3)周波数スペクトル(振幅スペクトル,位相スペクトル,電力スペクトル密度)
(4)線形・時不変システムのインパルス応答と伝達関数,線形・時不変システムの応答の求め方
に関する知識を備えていることを推奨します.
授業時間外学修についての指示
/Instructions for studying outside class hours
授業計画に沿って,以下の予習と復習を行ってください.
・予習:事前に教科書を読み理解できなかった内容を把握して授業に臨む(目安:1時間).
・復習:毎回の講義で課されるオンライン演習問題とワークシートを実施して提出する(目安:3時間).
その他連絡事項
/Other messages
講義資料(スライドハンドアウト/ワークシート問題・略解)の閲覧や印刷,オンラインでの演習問題の解答提出にPCが必要になりますので各自準備してください.
授業理解を深める方法
/How to deepen your understanding of classes
授業内容の理解を深めるために,授業で用いた講義スライドおよびワークシートの問題・略解をmoodleに掲示しますので復習に活用してください.また,無線信号の時間波形や周波数スペクトル,音楽や音声信号のPCM信号,量子化雑音,移動通信システムやWi-Fiの周波数スペクトル観測などのデモンストレーションを実施します.
【「アクティブ・ラーニング」実施要項③,⑥,⑪】
オフィスアワー
/Office Hours
火曜5限,A-517,宮本教員室.
他の相談者と重複する場合や出張等で不在にする場合がありますので,可能な限りE-mail等で事前に問い合わせてください.
科目ナンバリング
/Course Numbering
S21023J01100F348
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 イントロダクション (1-1) 高度情報通信社会における通信の社会的責務
(1-2) 有線/無線通信方式の黎明期
(1-3) 有線/無線通信システムの基本構成,有線/無線伝送路の特徴
(1-4) 様々な電波利用(周波数帯毎の電波伝搬の特徴と利用システムの紹介)
(1-5) 具体的な電波利用例(標準電波/FM補完中継/携帯電話/WiMAX/Wi-Fi/衛星通信/降雨レーダー/衝突防止レーダー等)
2 信号の時間表現と周波数表現(1) (2-1) 時間波形と周波数スペクトル
(2-2) フーリエ級数展開(三角関数/複素指数関数)
(2-3) 周波数スペクトルの複素数表示,振幅/位相スペクトル
(2-4) 信号空間
3 信号の時間表現と周波数表現(2) (3-1) フーリエ変換への拡張
(3-2) 代表的な信号とその周波数スペクトル
(3-3) フーリエ変換の性質
(3-4) ベースバンド信号から無線周波数信号への変換(理論,構造,機能)
(3-5) 周波数分割多重(FDM)を用いた多重無線通信装置への応用
4 周波数スペクトルと信号処理 (4-1) 線形時不変システムの応答
(4-2) フィルタ(LPF/HPF/BPF)の機能と構造
(4-3) 電力スペクトル密度
(4-4) 短時間フーリエ変換
5 雑音解析 (5-1) 確率変数,確率密度関数,確率分布関数
(5-2) 雑音の統計的性質(加法性,白色性,ガウス分布,乗法性(フェージング))
(5-3) 雑音指数
6 アナログ変調方式(1) (6-1) 通常の振幅変調(AM)の原理と変調器の機能と構造(信号の生成)
(6-2) 復調の原理(包絡線検波と同期検波),復調器の機能と構造
(6-3) 通常の振幅変調(AM)の周波数スペクトルとSNR特性
7 アナログ変調方式(2): (7-1) 振幅変調の改良
(7-2) 両側波帯変調(DSB-SC)の原理と変復調器の機能と構造
(7-3) 単側波帯変調(SSB)の原理と変復調器の機能と構造
(7-4) 直交振幅変調(QAM)の原理と変復調器の機能と構造
(7-5) 各種振幅変調方式の周波数スペクトルとSNR特性
8 アナログ変調方式(3) (8-1) 周波数変調(FM)の原理と変調器の機能と構造
(8-2) FM変調された信号の復調の原理,復調器の機能と構造
(8-3) 広帯域化利得と補足効果
(8-4) FMステレオ放送
(8-5) 都道府県域FM放送とワイドFMの周波数割当,送信設備の紹介
9 講義前半のまとめと中間試験 講義前半(第1回~第8回)のまとめと中間試験
10 パルス符号変調方式(1) (10-1) 標本化と標本化定理,量子化と量子化雑音
(10-2) パルス符号変調(PCM)
(10-3) アナログ/ディジタル中継伝送の比較,原理と構造
11 パルス符号変調方式(2) (11-1) 多チャンネルPCM伝送システムの原理と構造
(11-2) 時分割多重(TDM)を用いた多重無線装置の原理・構造・機能・保守・運用
(11-3) FDMを用いた多重無線装置の原理・構造・機能・保守・運用
(11-4) TDMを用いた多重無線装置とFDMを用いた多重無線装置の比較
12 ディジタル変調方式(1) (12-1) 各種ディジタル変調方式(ASK/PSK/QAM/FSK)の原理
(12-2) 変調器の機能と構造
(12-3) 各種ディジタル変調方式の実システムでの運用例
13 ディジタル変調方式(2) (13-1) ディジタル変調された信号の最適受信
(13-2) 相関受信と整合濾波器
(13-3) 相関受信機の構成
(13-4) 相関受信のレーダーへの応用
(13-5) レーダーの原理・機能・構造・保守・運用
14 ディジタル変調方式(3) (14-1) 最大事後確率(MAP)判定,最尤(ML)判定
(14-2) ベースバンドパルス伝送でのMAP判定とML判定の比較
(14-3) 各種ディジタル変調方式の受信機構成
(14-4) 各種ディジタル変調方式の誤り率特性
15 回線設計と具体的な無線電話装置・衛星通信装置 (15-1) フリスの伝達公式
(15-2) 自由空間伝搬損,シャドウイング,マルチパスフェージング
(15-3) 無線電話装置/衛星通信装置の原理・構造・機能・保守・運用
(15-4) 無線電話装置/多重無線装置/衛星通信装置における回線設計
16 単位認定試験 単位認定試験を実施

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