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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/03/27 現在

基本情報/Basic Information

遠隔授業(授業回数全体の半分以上)の場合は、科目名の先頭に◆が付加されています(2023年度以降)
開講科目名
/Course
有機化学Ⅰ/Organic Chemistry Ⅰ
時間割コード
/Course Code
S1401470_S1
開講所属
/Course Offered by
システム工学部/Faculty of Systems Engineering
ターム・学期
/Term・Semester
2024年度/Academic Year  第2クォーター/2Q
曜限
/Day, Period
火/Tue 1, 水/Wed 2
開講区分
/Semester offered
第2クォーター/2Q
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
大須賀 秀次
科目区分
/Course Group
_ 
授業形態
/Lecture Form
講義
教室
/Classroom
北1号館A203/北1号館A203
開講形態
/Course Format
ディプロマポリシー情報
/Diploma Policy

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
大須賀 秀次 システム工学部(教員)
授業の概要・ねらい
/Course Aims
有機化学を理解するためには、有機化合物の構造と反応性およびその合成法を学ぶ必要がある。この授業を受講することにより、学生は有機化学の基礎となる化合物の構造(原子間の結合状態、混成軌道)、異性体、共鳴と形式電荷、IUPACの規則による命名法、芳香族化合物の構造と共鳴ならびに関連する化学反応の基本概念を正しく理解できるようになることがこの講義の目標である。
有機化学は生命化学から材料化学に至る広い分野で重要な基礎学問の一つである。また最近の科学および技術のめざましい進歩の基礎には、有機化学の知識が深く関わっていることは言うまでもないことであろう。有機化学は積み重ねの学問であり、今後の有機化学関連の講義へと展開していく。
到達目標
/Course Objectives
・原子間の結合状態:価電子について正しく理解し、Lewis構造式によって分子の構造を正しく表現できるようになる。
・原子間の結合状態:分子構造を線形表記によって正しく示すことができるようになる。
・混成軌道について正しく理解し、原子価殻電子対反発モデルにより、簡単な有機化合物の構造を予測することができるようになる。
・IUPAC命名法:有機化合物を官能基によって分類することができるようになる。
・IUPAC命名法:IUPAC命名法を理解し、炭化水素など簡単な有機化合物について、構造式と名称を相互変換できるようになる。
・異性体:構造異性体と立体異性体について理解し、E,Z命名法で命名することができるようになる。
・異性体:アルカンの立体配座について理解し、立体配座の安定性の違いについて説明することができるようになる。
・異性体:シクロヘキサンのいす形立体配座について理解し、環反転によるアキシアル結合とエカトリアル結合の変化を示すことができるようになる。
・共鳴と形式電荷:共役と共鳴について理解し、非局在化した実際の分子構造を共鳴寄与式の共鳴混成体として示すことができるようになる。
・香族化合物の構造と共鳴:芳香族性と反芳香族性を持つ化合物を示すことができるようになる。
・化学反応:Brønsted酸とLewis酸について理解し、酸塩基反応における、酸、塩基、共役酸、共役塩基を正しく示すことができるようになる。
・化学反応:酸性度の強弱を酸解離定数で示すことができ、構造式の特徴から酸性度について予測することができるようになる。
・化学反応:有機反応を基本反応で分類し、反応における電子の動きを巻矢印で示して反応を表すことができるようになる。
・化学反応:簡単な有機反応のエネルギー図を示すことができるようになる。
・化学反応:カルボニル基に対する水やアルコールの求核付加反応を示すことができるようになる。
・化学反応:カルボニル基に対するアミンの求核付加反応により、イミンおよびエナミンの生成・分解反応を示すことができるようになる。
・化学反応:カルボン酸誘導体の反応を、求核付加-脱離による反応機構で説明することができるようになる。
・化学反応:カルボン酸誘導体の相互変換反応を示すことができるようになる。
・化学反応:アルデヒド、ケトンおよびカルボン酸誘導体のヒドリド還元による生成物を示すとともに、その反応機構を簡単に説明することができるようになる。
・化学反応:Grignard試薬の生成方法と、Grignard反応の生成物とその反応機構を簡単に説明することができるようになる。
成績評価の方法・基準
/Grading Policies/Criteria
各回の講義の到達目標に対する到達度を確認するために各回で課した課題(Moodleを通じて提出するレポート)を40%、単位認定試験を60%として総合的に評価する。講義中で学んだ内容の復習を各回の課題で行っているので、同程度の内容の問題を単位認定試験で解答できれば合格となり、応用的な発展問題を解答できれば加点する。
教科書
/Textbook
「有機化学 改訂2版」 奥山 格, 石井 昭彦, 箕浦 真生著 丸善出版 ISBN:9784621089774 価格:5,500円(本体5,000円+税)
参考書・参考文献
/Reference Book
下記の参考書は授業では使用しない。
「ウェイド有機化学 原書7版 上」 中村 浩之, 岩本 武明 他翻訳 丸善出版 ISBN:9784621088654 価格:7,150円(本体6,500円+税)
「ウェイド有機化学 原書7版 下」 中村 浩之, 岩本 武明 他翻訳 丸善出版 ISBN:9784621088661 価格:7,150円(本体6,500円+税)
「マクマリー有機化学 上 第9版」伊東 椒, 児玉 三明 他翻訳 東京化学同人 ISBN:9784807909124 価格:5,060円(本体4,600円+税)
「マクマリー有機化学 中 第9版」伊東 椒, 児玉 三明 他翻訳 東京化学同人 ISBN:9784807909131 価格:4,950円(本体4,500円+税)
「マクマリー有機化学 下 第9版」伊東 椒, 児玉 三明 他翻訳 東京化学同人 ISBN:9784807909148 価格:4,950円(本体4,500円+税)
「基礎有機化学演習」吉原 正邦, 神川 忠雄共著 三共出版 ISBN:9784782704042 価格:2,420円(本体2,2000円+税)
履修上の注意 ・メッセージ
/Notice for Students
有機化学を理解するには、有機化合物の構造に慣れる必要があり、構造式や反応式を自分の手で書くことが重要な手段の一つであるため、プロジェクターを使わず、板書形式を中心に講義を進めている。面倒でも板書を自分の手でノートにまとめること。板書の量が多いかもしれないが、内容をまとめて書く能力もあわせて身につけるように心がけること。
履修する上で必要な事項
/Prerequisite
記載事項なし
履修を推奨する関連科目
/Related Courses
基礎化学A, B、物理化学IA, IB、有機化学II、有機合成化学I, II
授業時間外学修についての指示
/Instructions for studying outside class hours
復習のための課題(Moodleを通じて提出するレポート)を毎回実施するので、テキストおよび板書ノートを読み返して復習すること。また、テキストを一読して予習しておくこと。授業時間外学習として毎回予習・復習をあわせて2時間を目安に確保すること。
テキストの章末問題やwebで公開されている補充問題について自習し、テキストの記述と講義の時の説明(板書ノート)とあわせて理解に努めること。疑問点があれば、対面もしくは電子メールなどで遠慮なく担当教員に質問すること(対面の場合は事前に電子メールなどで連絡をすることが望ましい)。

その他連絡事項
/Other messages
記載事項なし
授業理解を深める方法
/How to deepen your understanding of classes
復習のための課題(Moodleを通じて提出するレポート)を毎回実施し、提出締切後に解説を行うので、これによって自身の学修進展の状況をある程度判断できるようにする。
【「アクティブ・ラーニング」実施要項 ⑪】
オフィスアワー
/Office Hours
月曜3限
オフィスアワーに設定した時間以外であっても、事前にe-mail等(osuga@wakayama-u.ac.jp)による事前予約があれば対応する。
科目ナンバリング
/Course Numbering
S33012J11100D221,S33012J11100P211
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1回 化学結合と分子の成り立ち(1) 化学結合と分子の成り立ち(1):原子の構造、化学結合
2 2回 化学結合と分子の成り立ち(2) 化学結合と分子の成り立ち(2):Lewis構造式、共鳴構造、分子の表し方
3 3回 有機化合物(1) 有機化合物(1):官能基、酸化状態、命名法の考え方
4 4回 有機化合物(2)、分子のかたちと混成軌道(1) 有機化合物(2):有機化合物の命名、分子間相互作用
分子のかたちと混成軌道(1):分子のかたち
5 5回 分子のかたちと混成軌道(2) 分子のかたちと混成軌道(2):共有結合の軌道、原子軌道の混成、構造異性体と立体異性体
6 6回 立体配座と分子のひずみ(1) 立体配座と分子のひずみ(1):アルカンの立体配座、シクロアルカン
7 7回 立体配座と分子のひずみ(2)
共役と電子の非局在化(1)
立体配座と分子のひずみ(2):シクロアルカンのひずみ
共役と電子の非局在化(1):π結合と共役、共鳴法
8 8回 共役と電子の非局在化(2)、酸と塩基(1) 共役と電子の非局在化(2):ベンゼン、芳香族性
酸と塩基(1):酸と塩基の定義
9 9回 酸と塩基(2) 酸と塩基(2):酸塩基反応の平衡、酸性度、カルボアニオン、塩基性度
10 10回 有機化学反応(1) 有機化学反応(1):有機反応の種類、巻矢印による反応の表し方
11 11回 有機化学反応(2)、カルボニル基への求核付加反応(1) 有機化学反応(2):分子軌道による表現、反応のエネルギー
カルボニル基への求核付加反応(1):カルボニル結合の極性、シアノヒドリン
12 12回 カルボニル基への求核付加反応(2) カルボニル基への求核付加反応(2):水・アルコールの付加、イミンとエナミン、Wittig反応
13 13回 カルボン酸誘導体の求核置換反応(1) カルボン酸誘導体の求核置換反応(1):エステルの反応、求核付加-脱離反応
14 14回 カルボン酸誘導体の求核置換反応(2)、ヒドリド還元とGrignard反応(1) カルボン酸誘導体の求核置換反応(2):カルボン酸誘導体の相互変換
ヒドリド還元とGrignard反応(1):ヒドリド還元
15 15回 ヒドリド還元とGrignard反応(2) ヒドリド還元とGrignard反応(2):アルコール以外への還元、Griganard反応、有機合成入門
16 16回 単位認定試験 まとめと単位認定試験

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