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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/03/27 現在

基本情報/Basic Information

遠隔授業(授業回数全体の半分以上)の場合は、科目名の先頭に◆が付加されています(2023年度以降)
開講科目名
/Course
◆森林環境学/Environment of the Forests
時間割コード
/Course Code
S1400590_S1
開講所属
/Course Offered by
システム工学部/Faculty of Systems Engineering
ターム・学期
/Term・Semester
2024年度/Academic Year  第3クォーター/3Q
曜限
/Day, Period
月/Mon 1, 月/Mon 2
開講区分
/Semester offered
第3クォーター/3Q
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
中島 敦司
科目区分
/Course Group
_ 
授業形態
/Lecture Form
講義
教室
/Classroom
開講形態
/Course Format
遠隔授業(授業回数全体の半分以上)
ディプロマポリシー情報
/Diploma Policy

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
中島 敦司 システム工学部(教員)
授業の概要・ねらい
/Course Aims
 「自然のことなんか自分には関係ない」と思っている君、その考えは無責任だし、非人道的かも知れない。いくら成績が良くても、周りに優しくない人の社会価値は下がっている。日本経団連の会長が「環境を壊さず、守り、良くする分野だけが成長できる」と談話する時代になっている現在、自然や環境に弱い人材(つまり「自然のことなんか自分には関係ない」と思っている人)に回ってくるチャンスなど無いはずだ。
 本科目では、人間社会が持続、発展するために不可欠な自然や森林について、その成り立ち、生物学的特徴、生態系、環境、公益的機能、ヒトとの関わりを理解し、実際的な保護や保全、間接的に関わる技術の理論全般を修得する。このため、自然環境全般について興味のある者にとって重要な知識が得られるだけでなく、森林を中心とした自然と人間社会の関係性についての内容を含んでいるため、建築設計、モノづくり、IT、エネルギー、都市計画、農村計画に興味のある者にとっても有用なヒントが得られる。   
到達目標
/Course Objectives
自然や森林が破壊される問題の解決や保護/保全についての国際情勢と合理的解となる方法について文章として論理的に表現できるようになることを受講生の到達目標とする。そのためには内容を把握できているだけでは不十分で文章コミュニケーションの上達も必要となる。
成績評価の方法・基準
/Grading Policies/Criteria
成績は単位認定試験70%,授業中に課す課題30%で評価する。
教科書
/Textbook
講義PDFを配布
参考書・参考文献
/Reference Book
講義中に指示する。
履修上の注意 ・メッセージ
/Notice for Students
本講義では一般に出回っている教科書やインターネットでは知ることのできない最先端の情報で講義をするため、過去の実績では出席率の低い学生の合格率は非常に低く、仮に合格できたにしても得点は低くなっていた。
履修する上で必要な事項
/Prerequisite
授業中にパソコンの使用を認める。  
履修を推奨する関連科目
/Related Courses
指定しない。  
授業時間外学修についての指示
/Instructions for studying outside class hours
受講生は、講義が始まるまでに各回の内容に応じた下調べ(予習)が必要で、その内容は講義内に指示する。また,講義後には当該回の復習に必要な資料を配付するので、それを元に自身の理解度を自己把握することが求められる。
その他連絡事項
/Other messages
連携展開科目「自主演習」へと発展させることも期待する。   
授業理解を深める方法
/How to deepen your understanding of classes
本授業では,和歌山大学アクティブラーニングガイドラインに記載のある項目の中で、

(4)普遍的な正答や定型的なモデルが存在しない題材に対し、学生自らが合 理的な解を導き出す学習

(9)複数の領域にまたがる解法を必要とする学習

を実施する。このため,講義の前には各回における到達目標を明示し,

(11)学生が自身の学修進展の状況や到達レベルなどを客観的に把握・確認で きる仕掛けをともなう学習

となるように授業を実施する   
オフィスアワー
/Office Hours
授業開講時:後期:火曜日・11時30分〜13時00分  訪問先:北3号館6階 B-612号  nakat@wakayama-u.ac.jp に事前予約を行ってください。   
科目ナンバリング
/Course Numbering
S40012J11101H252,S40012J11101R252
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 森林や自然を保護する理由、生態系サービス  なぜ自然や森林なんかを保護する必要があるのか? この単純な問に的確に答えることは意外と難しい。倫理的なことで語られることは多いが、それ以外の理由はないのだろうか? この本質的で単純な問に対しての合理的な解を考える。
2 森林を考える上での論理的思考法  自然や森林を守る合理的な解を理解した上で、それを論理的に表現する方法について理解する。特に、世間的に理解されている様々な社会判断が、実は論理性を満たしていない単なる多数意見に過ぎないことを把握し、そう陥らない思考法を修得する。その上で、自然や森林から我々に提供される恩恵「生態系サービス」ついて理解する。
3 森林が破壊される理由 森林が最も短時間で破壊される理由はなんだろう? 世界で起こっている森林破壊の実態から、我々人類は「いったい何してんだよ?」と言いたくなる、目を背けたくなるような事実を把握し、その上で、どうやったら皆に優しい明るい未来を創っていけるか? 苦労なく対応していけるのか? 考える。
4 世界の森林(1) 世界には様々な森林がある。その姿は気候帯によって変化し、それぞれに特徴があり、それぞれに美しく、それぞれに有用だ。世界に存在する様々な森林を気候帯別にみることで、森林が成立する要因について理解する。その1回目として、熱帯と亜熱帯の森林についてみていく。
5 世界の森林(2) 世界の森林の2回目として、温帯と寒帯の森林についてみていく。
6 世界の森林(3) 世界には特殊な条件下で成立する森林がある。海岸という塩分がある極限環境に成立するマングローブと、乾燥した極限条件でもしたたかに生きている沙漠の森林をみることで、森林の生存戦略について理解する。
7 植生遷移と森林 自然や森林は見守っていればずっと同じ姿でいると思っている人は多いが、この理解は正しくない。自然は移ろうもの、その移ろいに人間活動が関与することもある。自然が移ろう「植生遷移」に対する人間の関与、悪影響や生物多様性への好影響について理解する。
8 森林の保護と昔の智恵(1) 昔の人はどうやって森林を大切にしていたのだろう? 昔話や妖怪話など民話の中に隠されている秘密を理解し、昔の知恵を今日に活かす方法について考える。
9 森林の保護と昔の智恵(2)  「里山」をキーワードに、都市の近郊の自然を大切にしようとする社会活動がある。ところが、そのロジックは驚くほどに理論欠陥に満ちた、自画自賛の姿である。しかし、都市近郊の自然を大切にすることの人間社会への恩恵も大きい。では、これまでの里山保護論者における理論欠陥を、どうやったらロジカルに変更できるか? 科学的事実のみから考える。
10 10 災害と森林(1) 防災という言葉には一種の魔力がある。ひとたびその言葉を聞くと、とたんに誰もが反論できなくなってしまう、思考停止ワードとして多用(悪用)されるようにもなった。災害と防災は同じ意味ではないのだが、その混同にも目を覆うモノがある。そこで、災害、特に豪雨災害について、その発生メカニズムを理解し、世間で言われている様々な災害、防災にまつわる話の理論欠陥について考える。
11 11 災害と森林(2) 土木の専門家の中には森林には土砂災害を防ぐ効果は無いと断言する愚か者が存在する。この歴史事実を無視したかのような暴論を論破する方法を、科学的事実のみを用いて考える。
12 12 災害と森林(3) 土砂災害を回避するため、昔の人達は様々な知恵を駆使していた。森林の扱い方もそうだし、山間部に多い棚田もそうだ。その事実を現代の科学で表現したらどうなるか? 考える。
13 13 気候変動と森林(1)  気候変動は自然や森林に多大な悪影響を与える。連鎖的に産業も悪影響を受ける。結果、経済崩壊が誘発されることが心配され、様々な対策が始まった。これまでの経済至上主義社会から新しい「エコ」社会へと世界は動き始めた。この「新産業革命」がもたらす希望ある豊かな経済社会の姿、その中での森林の役割を考える。キーワードは森林がCO2の吸収元になるということだ。
14 14 気候変動と森林(2) 気候変動防止に対して、個人や地域が貢献できることには限りがあると思われがちだ。しかし、これは間違い。いっぱいのことがある。森林保護にだって個人でも貢献できる。では、私たちにいったいな何ができるのだろうか? 今では地域活動での思考停止ワードとなってしまった「地域活性化」「六次産業」「観光振興」について、徹底的にディスってみて、その後に残ったものこそ本当の意味での合理的な解となるが、それは何か? 考える。
15 15 取りまとめと単位認定試験 講義の前半では,これまでの講義をふり返って取りまとめを行い,後半で単位認定試験を行う。

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