シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2025/03/31 現在

基本情報/Basic Information

遠隔授業(授業回数全体の半分以上)の場合は、科目名の先頭に◆が付加されています(2023年度以降)
開講科目名
/Course
SOGIE多様性社会を考える/Exploring SOGIE Diversity in Society Through Dialogue
時間割コード
/Course Code
L1290102_L1
開講所属
/Course Offered by
教育学部/Faculty of Education
ターム・学期
/Term・Semester
2025年度/Academic Year  第3クォーター/3Q
曜限
/Day, Period
木/Thu 1
開講区分
/Semester offered
後期/the latter term
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
本村 めぐみ/Motomura Megumi
科目区分
/Course Group
_ 
授業形態
/Lecture Form
講義
教室
/Classroom
東3号館中406/東3号館中406
開講形態
/Course Format
ディプロマポリシー情報
/Diploma Policy
要件年度
/Required Year
要件所属
/Course Name
ディプロマポリシー
/Diploma Policy
DP値
/DP Point
2020/04
~9999/04
教育学部 1. 幅広い教養と分野横断的な学力
2. 専門的知識や技能 7
3. 課題解決力と自己学修能力 1
4. 協働性とコミュニケーション能力 1
5. 地域への関心と国際的視点 1

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
本村 めぐみ/Motomura Megumi 教育学部(教員)
授業の概要・ねらい
/Course Aims
 和歌山大学のマスコットキャラクター「わだにゃん」には、ある隠し設定があります。わだにゃんは19歳の性別不詳であり、ボーイフレンドかガールフレンドが現れた時に性別を決めることになっています。 
 「ガールフレンドができたら、わだにゃんは男子だな」と無意識に考えてしまった人も「自分の性別をどう思うかを、他者が決められるのか?」と、大きな疑問を抱いた人も共に本授業に大歓迎します。
 SOGIEとは「性的指向と性自認、及び性表現(Sexual Orientation and Gender Identity/ Gender Expression)」の頭文字を取って作られた概念であり、漏れなく私たち全ての人類が持っている属性です。人権課題として、性をめぐり「少数の人たち」と「多数の人たち」の間に境を設けない考え方が最大の特長です。
 本授業では、私たちは誰もが、他者と異なる「性指向」「性自認」「性表現」等による差異を持つ個別の存在である、という深い認識を共有します。SOGIEを切り口に、「性」や「生き方」における多様性、包括性、公平性とは何であるのか、それらを尊重しあっていく上での様々な現代的課題と解決への足掛かりを、対話的に熟考しあえる基盤を目指します。

 本授業には、トランスジェンダー当事者であり、LGBTQ+関連の民間講師として豊かな経歴を持つゲスト・スピーカーをお招きします。
 当事者性を持ちながらも、各企業や行政、学校等で、自身の経験のみならず、正しい専門知識や人権意識を伝えることを目指して活動するゲストを招くことで、本授業では、他では聴講できない、ドラマチックな<生の語り>と、一般的な教科書には記述されない専門的知識や視座を学ぶことを目指します。
到達目標
/Course Objectives
 ●SOGIEを切り口とし、多様な性、ひいては多様な生き方を学ぶための基礎的な知識を獲得し、その知識を他者に正しく説明することができる。
 ●SOGIEをめぐる差別という現実に目を向け、それらを生まないためには「善良な気持ち」「道徳心」だけでは不足であり、「すでに分かったつもり」を脱して正しい「知識」が絶対不可欠である理由を、記述的な方法で述べることができる。
 ●現代社会に生じているSOGIEをめぐる現代的課題について、他者との対話を育むことによって、より深く考察し、その結果として得られた自身の新しい創造的見解を、他者に口頭、記述の両方で述べることができる。
成績評価の方法・基準
/Grading Policies/Criteria
<成績評価の方法>
・授業後の「コメントシート」及び「ミニ課題」の提出(40%)
・最終レポート(60%)

<成績評価の基準>
 授業後の「コメントシート」は、毎回の授業を振り返り、自身が何を学び得たのか、その気づきについて記述を求めます。「ミニ課題」では、次回授業へと繋がる発展的学びとして、小さなリサーチや課題を提示し、それに関する回答を求めます。それぞれは「適切な方法で記載されているか」「内容が適切であるか」を基準として評価します。
 最終レポートでは、採点基準はルーブリック(評価項目、評価尺度)を提示します。
教科書
/Textbook
授業中にオリジナルテキスト及び資料を提示します。
参考書・参考文献
/Reference Book
授業時に適宜、紹介します。
履修上の注意 ・メッセージ
/Notice for Students
 授業序盤には、対話のための人権的なルールを共有します。これらのルールを順守すると同時に、その意義についても深く考えられる資質を必要とします。

 また、以下のような受講生をより歓迎します。
 ●固定概念を脱却することによって自分を深く見つめ直したり、他者を理解することを通して、この社会における「自他尊重」へのプロセスを模索し続けたいと考える人
 ●将来、教師や保護者として、ひとりの市民としてSOGIEの多様性を知り、深く考え、共生社会を生き合うための資質を身に付けたいと考える人
 ●共生社会に必要な「対話のルール」に基づく人権的なファシリテーションを学びたい人
履修する上で必要な事項
/Prerequisite
 ●本授業には、必ず自身のノートPC(それに準じるもの)を毎回、持参してください。
 ●授業開始前には、余裕をもってPCを起ち上げ、トラブルがないか確認してください。
 
履修を推奨する関連科目
/Related Courses
「家族を考える」(前期・水1)
授業時間外学修についての指示
/Instructions for studying outside class hours
 ①授業前には予習としての資料や文献読解、主体的なリサーチ課題を提示する場合がありますので、より授業内容の理解を深めるために、真摯に取り組んでください。
 ②授業後には自身の理解や気づきを振り返るためのコメントシートへ記述を求めますので、その週に学んだ授業の資料、及び人々との対話の記録などを十分に復習した上で、作成してください。
 ③1単位の学修に必要な学修量は、授業時間と予習復習の時間をあわせて45時間と定められており、それぞれに見合う自主的学習時間が求められています。「履修手引き」もあわせて参照してください。
その他連絡事項
/Other messages
特になし
授業理解を深める方法
/How to deepen your understanding of classes
 この授業では、それぞれに多様なSOGIEを生きる者同士が尊重しあえる対話の場を創り出します。そこでは、絶対的な正解を導くのではなく、現代的な知見や他者との豊かな対話を通して、多角的かつ柔軟な視座を得るプロセスを重視します。また、授業後のコメントシート等を用いて、教員や学生間で各々の発見や気づきを体系的に言語化し、それらの共有をもって授業理解や自己洞察を深めていきます。

【アクティブラーニング実施要項より】
(2)PBL学習
(3)発見学習、体験学習、反転授業
(4)普遍的な正答や定型的なモデルが存在しない題材に対し、学生自らが合理的な解を導き出す学習
(5)学生自らが具体的なテーマや対象を設定する学習
(6)学生自らが実施する調査やトレーニングを必要とする学習
(7)発展的な課題に取り組むことを促す仕掛けをともなう学習
(8)学生による発表をともなう学習
(10)グループワークをともなう学習
(11)学生が自身の学修進展の状況や到達レベルなどを客観的に把握・確認できる仕掛けをともなう学習
オフィスアワー
/Office Hours
月曜3限、本村研究室(東3号館 南416)。
事前にメールで予約することを推奨します。motomura@wakayama-u.ac.jp
科目ナンバリング
/Course Numbering
LL0001J01000X1ω1
実務経験
/Practical Experience
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考(担当)
/Notes
1 第1回 導入 ・シラバスの確認
・授業の進め方を説明【重要】
・SOGIEに関する和歌山大学の取り組みと課題を確認する
本村
2 第2回 SOGIEの基礎知識① ・自己の「表現」や「自分らしさ」からSOGIEについて対話的に考える 本村
3 第3回 SOGIEの基礎知識② ・様々な「性自認」について:
講義によって知識を獲得し、対話的に考える
本村
4 第4回 SOGIEの基礎知識③ ・様々な「性指向」について:
講義によって知識を獲得し、対話的に考える
本村
5 第5回 SOGIEの知識から応用へ① ・「ふつう」が暴力になるとき:
講義と対話を通して考える
本村
6 第6回 SOGIEの知識から応用へ② ・LGBTQ+という表現をめぐって:
講義と対話を通して考える
本村
7 第7回 現代における「同性婚」の現状① ・同性を好きになること➀:
同性愛をめぐる歴史と現在について講義と対話を通して考える
本村
8 第8回 現代における「同性婚」の現状② ・同性を好きになること②:
同性婚をめぐる社会的経緯と現状について講義と対話を通して考える
本村
9 第9回 性別不合とは何か① ・「トランスジェンダーを生きる」①:
性別不合とトランスジェンダーの違いについて知識を獲得し、その多様性について対話的に学ぶ
本村
10 第10回 性別不合とは何か② ・「トランスジェンダーを生きる」②:
当事者認識にみるトランスジェンダー問題について講義と対話を通して考える
本村
11 第11回 小括:SOGIEとLGBTQ+ ・一括りにできないLGBTQ+:
授業の小括を学生ファシリテーターを立てながら行う。
本村
12 第12回 学校教育とSOGIE多様性 ・SOGIE多様性をめぐる教師の役割:
講義と対話を通して考える
本村
13 第13回 家庭教育とSOGIE多様性 ・SOGIE多様性をめぐる保護者の役割:
講義と対話を通して考える
本村
14 第14回 社会教育とSOGIE多様性 ・SOGIE多様性をめぐる市民の役割:
講義と対話を通して考える
ゲストスピーカー
(予定)
15 第15回 総括 ・SOGIE多様性社会の構築に向けて:
私たちがこれから、自身と仲間と次世代のために成すべきことを対話を通して考える
本村

科目一覧へ戻る