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科目一覧へ戻る | 2025/03/31 現在 |
開講科目名 /Course |
家族を考える/Dialogue to consider the modern family | ||||||||||||||
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時間割コード /Course Code |
L1280098_L1 | ||||||||||||||
開講所属 /Course Offered by |
教育学部/Faculty of Education | ||||||||||||||
ターム・学期 /Term・Semester |
2025年度/Academic Year 第1クォーター/1Q | ||||||||||||||
曜限 /Day, Period |
水/Wed 1 | ||||||||||||||
開講区分 /Semester offered |
前期/the former term | ||||||||||||||
単位数 /Credits |
2.0 | ||||||||||||||
学年 /Year |
1,2,3,4 | ||||||||||||||
主担当教員 /Main Instructor |
本村 めぐみ/Motomura Megumi | ||||||||||||||
科目区分 /Course Group |
_ | ||||||||||||||
授業形態 /Lecture Form |
講義 | ||||||||||||||
教室 /Classroom |
東2号館L203/東2号館L203 | ||||||||||||||
開講形態 /Course Format |
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ディプロマポリシー情報 /Diploma Policy |
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教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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本村 めぐみ/Motomura Megumi | 教育学部(教員) |
授業の概要・ねらい /Course Aims |
「家族とは幸福の源泉である」。この考えをどう感じるでしょうか。「家族が何よりも大切」と日本人が顕著な認識を示すようになったのは、実はこの30数年ほどの現象です。 誰もが一度は「生まれ育つ家族(家族的コミュニティ)」を経験します。成人後は、自分が選ぶ人達と「家族」を築きたいと考える人も少なくありません。一方、近年につれて「人は結婚し、子を持つことが当然」とする規範意識は減少し続けています。また、家族を持つこと自体を「リスク」や「困難」と捉える見方も生じています。 現代家族は常に変化し続け、多様化しています。しかし、家族自体が、また、人々の「家族」の捉え方がいかに変化しても、私達は誰かと集い、その関わりをより良く生きる意味や方法は、常に模索され続けなければなりません。多様な個性を持つ人同士の共生が目指される現代社会を見据えながら、本授業では、<私達は現代家族をいかに生きるか>について対話を重ね、共に考察を深めます。 担当教員は、地域における自助グループ「しんぐるまざあず・ふぉーらむ和歌山」と連携し、「ひとり親家族を生きる子ども達の人権」をテーマに掲げたシンポジウム開催等の経験があるほか、LGBTQ+コミュニティに所属する民間講師と協働し、SOGIE多様性の考え方を広めるプロジェクトも行っています。こうした経験によって、本授業では、より多様な家族・多様な性を生きながら家族実践をめざす人たちの具体的事例と、確かな専門知識を皆さんに学んで頂くことを目指します。 |
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到達目標 /Course Objectives |
●「家族の多様化」とは具体的にいかなる現象を指すものなのか、また、いつからどのように進行してきたかを理解する。その過程のなかで人々が考える「ふつうの家族」像がいかに出現し、固定化されてきたかについて学術知見を獲得し、それらについて正しく記述による説明ができる。 ●ひとり親家族、同性婚、事実婚、ステップファミリー、LGBT家族などの事例を通して「多様性」を認識することの意味と、そこから透視される社会的課題に気づき、それらについて自身の意見を述べることができる。 ●家族とはすべての人にとって「幸福源泉」「生きづらさの源泉」の双方を備える、個人の持つ1つのネットワークという見方を知り、私たちは、これから「家族」という共同体をいかに生き抜くことが可能であるのか、個人を超えた社会単位でも考察をおこない、それらの考察について記述説明できる。 ●特に、子どもや若者たちが生きる個々の現代家族が抱える問題解決に向けて、分野横断的に具体的アプローチするために人々と対話する力をつけ、対話を通して得られた新しい創造的見解を他者に伝えることができる。 |
成績評価の方法・基準 /Grading Policies/Criteria |
<成績評価の方法> ・授業後の「コメントシート」及び「ミニ課題」の提出(40%) ・最終レポート(60%) <成績評価の基準> 授業後の「コメントシート」は、毎回の授業を振り返り、自身が何を学び得たのか、その気づきについて記述を求めます。「ミニ課題」では、次回授業へと繋がる発展的学びとして、小さなリサーチや課題を提示し、それに関する回答を求めます。それぞれは「適切な方法で記載されているか」「内容が適切であるか」を基準として評価します。 最終レポートでは、採点基準はルーブリック(評価項目、評価尺度)を提示します。 |
教科書 /Textbook |
授業時に担当者が作成したオリジナルテキスト、資料等を配布します。 |
参考書・参考文献 /Reference Book |
授業時に適宜、紹介します。 |
履修上の注意 ・メッセージ /Notice for Students |
以下のような履修生を歓迎します。 ●現代家族や家族関係について興味関心があり、固定観念を脱却した柔軟な思考による深い学びを得たいと考えるひと ●生き方、ライフスタイル、性の「多様性」も含めて深く洞察し、自身の生活やこれからのセルフデザインに活かしたいと考えるひと ●協働的な対話的授業づくりや、教室ファシリテーションに関心のあるひと |
履修する上で必要な事項 /Prerequisite |
●本授業には、必ず自身のノートPC(それに準じるもの)を毎回、持参するようにしてください。 ●授業開始前には、余裕をもってPCを起ち上げ、トラブルがないか確認をしてください。 |
履修を推奨する関連科目 /Related Courses |
「SOGIE多様性社会を考える」(後期・木1) 「教育の現状と課題」(後期・木3) |
授業時間外学修についての指示 /Instructions for studying outside class hours |
①日常世界のなかで、あるいは各メディアのなかで「家族」とはいかに描かれ、また人々に語られているか、日頃からよく観察をしておいてください。 ②授業前の予習として、提示した資料に対して考察やリサーチを求める「ミニ課題」には各自、真摯に取り組んでください(毎週ではありません)。 ③授業後には、自身の理解や気づきを振り返るためにコメントシートへの記述を求めますので、Moodleに掲載した授業資料や、授業中の対話を整理した記録をよく復習した上で、作成してください。 ④1単位の学修に必要な学修量は、授業時間と予習復習の時間をあわせて45時間と定められており、それぞれに見合う自主的学習時間が求められています。「履修手引き」もあわせて参照してください。 |
その他連絡事項 /Other messages |
特になし |
授業理解を深める方法 /How to deepen your understanding of classes |
この授業では、個々の家族を生きる者同士が学びながら対話の場を創り出します。そこでは、必ずしも絶対的な正解でなく、学術知見や他者との豊かな対話から議論への発展を通して多角的な視座を獲得していく過程を重視します。 授業後にはコメントシート等を用いて、教員や学生間で各々の発見や気づきを体系的に言語化し、それらの共有をもって授業理解や自己洞察・他者理解を深めていきます。 【アクティブラーニング実施要項より】 (2)PBL学習 (3)発見学習、体験学習、反転授業 (4)普遍的な正答や定型的なモデルが存在しない題材に対し、学生自らが合理的な解を導き出す学習 (5)学生自らが具体的なテーマや対象を設定する学習 (6)学生自らが実施する調査やトレーニングを必要とする学習 (7)発展的な課題に取り組むことを促す仕掛けをともなう学習 (8)学生による発表をともなう学習 (10)グループワークをともなう学習 (11)学生が自身の学修進展の状況や到達レベルなどを客観的に把握・確認できる仕掛けをともなう学習 |
オフィスアワー /Office Hours |
月曜3限、本村研究室(東3号館 南416)。 事前にメールで予約することを推奨します。motomura@wakayama-u.ac.jp |
科目ナンバリング /Course Numbering |
LL0001J01000X1λ1 |
実務経験 /Practical Experience |
無 |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考(担当) /Notes |
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1 | 第1回 | 「家族とは何か」を問う | ・シラバスの解説 ・授業の進め方:参画型について学ぶ ・「家族とは何か」という問に対する人々の言説から分かることを、対話的に考察する。 |
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2 | 第2回 | 「家族らしさ」のイメージ | 「家族らしさ」のイメージはいつ、何処からやって来たかについて資料に基づきながら、対話的に考察する。 | |
3 | 第3回 | 形態からみる家族・意識からみる家族 | 「家族」を捉える際の視座として、形態と意識の観点から「家族」を見つめた際の気づきを対話的に考察する。 | |
4 | 第4回 | ファミリー・アイデンティティを問う | ・FIとは何であるかを学ぶ。 ・FIのズレが生じる背景と、そこから私たちが学び得ることが何かについて対話的に考察する。 |
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5 | 第5回 | 小括:「家族」を見つめる視座 | 現代家族を見つめるためには、いかなる視座を持っておくべきかについてこれまでの対話から小括する。 | |
6 | 第6回 | 家族はいかに変容してきたか① | 「近代家族」のおこりと、どのような特徴を持っていたかについて学び、現代へといかに変容してきたか歴史的な視座を獲得する。 | |
7 | 第7回 | 家族はいかに変容してきたか② | 「近代家族」がもたらした規範性等について知見を導入し、現代家族にいかなる影響を与えているかを対話的に考察する。 | |
8 | 第8回 | 家族はいかに変容してきたか③ | 近代から現代家族へと移り変わる中で、人々の価値観はいかに変容を遂げて来たについて知見を獲得した上で、現代における身近な家族関係を見つめ直すために、対話的に考察する。 | |
9 | 第9回 | 現代家族をとらえる新たな視点 | 現代家族を捉えるための新たな視点として専門的知見を学び、そこからの気づきを対話的に考察する。 | |
10 | 第10回 | 現代家族の多様性① | 多様な家族に生きる子どもたちのリアルな実態を学びながら、その気づきを自己洞察し、他者との間で対話的に考察する。 | |
11 | 第11回 | 現代家族の多様性② | 現代家族にみる「多様なパートナーシップ」には、どのような関係性があるかについて詳しく学び、他者との間で対話的に考察する。 | |
12 | 第12回 | 現代家族の多様性③ | 現代家族にみる「多様なファミリーシップ」とはいかなるものかについて知見を深め、その気づきを対話的に考察して深める。 | |
13 | 第13回 | 小括:「多様性を認めあう」のその先 | 現代家族の「多様性」は果たしてどのように認め合えるのか、また、「多様性」本来の意味を、事例を用いながら対話的に問い直す。 | |
14 | 第14回 | これからの家族のあり方: | 「家族」をどのように理解し、次世代に伝えるかについて、履修者全体で対話から議論へ展開する。 | |
15 | 第15回 | 総括 | 本授業のまとめを行う。 |