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科目一覧へ戻る | 2024/03/29 現在 |
開講科目名 /Course |
障害児教育の進歩/The lecture of educational depoyment for children with disabilities | |||||||||||||||
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時間割コード /Course Code |
L1190152_L1 | |||||||||||||||
開講所属 /Course Offered by |
教育学部/Faculty of Education | |||||||||||||||
ターム・学期 /Term・Semester |
2024年度/Academic Year 第3クォーター/3Q | |||||||||||||||
曜限 /Day, Period |
月/Mon 3 | |||||||||||||||
開講区分 /Semester offered |
後期/the latter term | |||||||||||||||
単位数 /Credits |
2.0 | |||||||||||||||
学年 /Year |
2,3,4 | |||||||||||||||
主担当教員 /Main Instructor |
山﨑 由可里/Yamazaki Yukari | |||||||||||||||
科目区分 /Course Group |
_ | |||||||||||||||
授業形態 /Lecture Form |
講義 | |||||||||||||||
教室 /Classroom |
東4号館実101/東4号館実101 | |||||||||||||||
開講形態 /Course Format |
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ディプロマポリシー情報 /Diploma Policy |
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教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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山﨑 由可里/Yamazaki Yukari | 教育学部(教員) |
授業の概要・ねらい /Course Aims |
本科目は、現在の障害児教育(特別支援教育)が直面している諸課題について、その社会的背景や歴史的経緯を学びながら理解を深めることを目的とする。具体的には、日本の近代化(資本主義化)と重ね合わせて障害児教育のあゆみをとらえ、盲教育・ろう教育を中心とした障害児教育の嚆矢、障害者「有用」「無用」論、生涯にわたる障害者支援を目指した保護施設(滝乃川学園)、知的障害児や貧困児、虚弱児への特別な教育(特別学級史)、施設をつくり医療・教育を結びつけ生活を保障した治療教育の実践化(三田谷治療教育院、八事少年寮など)、戦時下における障害児教育の衰退、戦後教育改革における障害児教育の位置づけ、文部省実験校の設立や学習指導要領の作成、重症心身障害児の発達の可能性を引き出す療育の試み、就学保障運動などを取り上げる。 |
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到達目標 /Course Objectives |
・障害児教育の現状(制度的・理論的・実践的な基礎的事項の理解を含む)と諸課題、その歴史的変遷と到達点、諸課題を解決する将来的な展望について理解すること。 |
成績評価の方法・基準 /Grading Policies/Criteria |
・本科目は年間集中科目である。開講日については受講生と相談の上決定する。 ・講述を中心とし、必要に応じて史料や映像(DVD)による記録も提示しながら行う。 ・毎回の授業終了時にコメント(講義に対する意見・質問など)を提出させる。 ・評価は、レポートによる試験(90%)、および授業での取り組み(10%)をもとに行う。 ・新型コロナウイルスの感染状況によっては、オンデマンドで実施する。 |
教科書 /Textbook |
講義の際、主に以下の文献を参照して講述します。購入の必要はありません。 ・清水寛他編(1985)『障害者教育史』川島書店 ・中村満紀男ほか(2003)『障害児教育の歴史』明石書店 ・文部省(1978)『特殊教育百年史』 ・全日本特別支援教育研究連盟(2002)『教育実践でつづる知的障害教育方法史―教育方法の展開と探究』川島書店 ・津曲裕次編(2011)『滝乃川学園百二十年史』(上・下)大空社 ・無らい県運動研究会(2014)『ハンセン病絶対隔離政策と日本社会』六花出版 ・安藤房治(2017)『青森県障害児教育史』北方新社 ・河合隆平(2018)『発達保障の道-歴史をつなぐ、社会をつくるー』全障研出版部 ・清水寛(2018)『太平洋戦争下の全国の障害児学校』新日本出版社 ・藤井克徳(2018)『わたしで最後にして:ナチスの障害者虐殺と優生思想』合同出版 ・別役厚子(2019)『子どもの貧困と教師』六花出版 ・藤野豊(2020)『強制不妊と優生保護法』岩波ブックレット ・中野智世他(2021)『価値を否定された人々-ナチス・ドイツの強制断種と「安楽死」』新評社 など。 |
参考書・参考文献 /Reference Book |
以下は、講義の内容を理解する上で参考になる図書です。 ・渡辺健治他編(2014)『戦後日本の特別支援教育と世相』ジアース教育新社 ・ろう教育科学研究会編(2012)『聴覚障害児教育の歴史と展望』風間書房 ・清水寛他編(2006)『忘れられた歴史はくり返す-障害のある人が戦場に行った時代』きょうされん ・フランツ・ルツィウフ著山下公子訳(1991)『灰色のバスがやってきた』草思社 ・スザンヌE・エヴァンス著黒田学・清水貞夫訳(2017)『障害者の安楽死計画とホロコースト』クリエイツかもがわ ・松本昌介他編(2018)『障害児学童疎開資料集』六花出版 ・二井仁美編(2024)『北海道家庭学校110年』六花出版 ・森下直貴・佐野誠(2020)『「生きるに値しない命」とは誰のことか』中央公論社 ・マルクス・トラウトマン著・櫻井金昭訳(2022)『ナチスに声を上げた男』教友社 など。 |
履修上の注意 ・メッセージ /Notice for Students |
2024年度の授業は、以下のように実施する予定です。 ◎授業は原則対面で実施しますが、新型コロナウイルス感染状況等諸般の事情により、一部の授業をオンデマンドで実施する場合があります。 |
履修する上で必要な事項 /Prerequisite |
特別支援教育総論を履修していることが望ましい。 |
履修を推奨する関連科目 /Related Courses |
特別支援教育に関係する他の科目。その他、歴史に関する授業など。 |
授業時間外学修についての指示 /Instructions for studying outside class hours |
毎回配付の資料は講述内容を補足するものである。予習・復習に活用すること。配布物が多くレポート作成の際にも必要となる。紛失しないように自己管理すること。1単位の学修のために必要な学修量は、授業時間と予習復習の時間をあわせて45時間と定められており、それぞれに見合う自主的学習時間が求められています。「履修手引」もあわせて参照してください。 |
その他連絡事項 /Other messages |
特になし |
授業理解を深める方法 /How to deepen your understanding of classes |
(6)学生自らが実施する調査やトレーニングを必要とする学習 障害者教育史に関する資料を講読・分析・協議する時間を設ける予定です。 |
オフィスアワー /Office Hours |
毎週木曜日昼休み。事前にメールでアポを取ってください。研究室は、東4号館特別支援教育棟実205室です。 yukari25@wakayama-u.ac.jp |
科目ナンバリング /Course Numbering |
L09062J01000T2γ1 |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーション-障害者権利条約の発効など、障害者問題をとりまく国際的動向と到達点 | ||
2 | 第2回 | 日本の近代化と障害者「有用」「無用」論、 | ||
3 | 第3回 | 義務教育制度の確立と就学猶予・免除規定、盲・ろうあ教育の普及 | ||
4 | 第4回 | 知的障害児や貧困児、虚弱児への特別な教育(特別学級、林間学校、貧民学校など) | ||
5 | 第5回 | 滝の川学園など民間による障害児保護施設のにおける教育と福祉・医療 | ||
6 | 第6回 | 特殊保護児童と教育問題(感化院や幼年監での教育) | ||
7 | 第7回 | 医療・教育・生活の同時的保障に取り組んだ治療教育施設 八事少年寮 | ||
8 | 第8回 | 戦時下の障害児教育 | ||
9 | 第9回 | 戦争と障害者問題 | ||
10 | 第10回 | 戦後教育改革期における障害児教育(特殊教育)の位置づけ-障害の種類と程度による教育を受ける権利の侵害 | ||
11 | 第11回 | 知的障害児教育の模索-「水増し」教育、学校工場方式、原教科、近藤益雄の教育実践、学習指導要領の作成など | ||
12 | 第12回 | 小児科医小林堤樹による重症心身障害児問題の提起 | ||
13 | 第13回 | 糸賀一雄らによる重症心身障害児への療育と発達保障論 | ||
14 | 第14回 | 糸賀一雄らによる重症心身障害児への療育と発達保障論 | ||
15 | 第15回 | 優生学・優生思想とナチスによる障害者「安楽死」計画、旧優生保護法裁判 |