1背景と目的
ギターの音色を変化させる道具に「エフェクター」というものがあります. しかし,これらはギターを扱っていない人にはどういうものかわかりづらく,エフェクトの説明をしてもイメージがわきにくいものがほとんどです. これらの原因は,楽器経験者と未経験者の知識のズレによるものだけでなく,「音色の変化」というものが抽象的であるためだと考えられます.
そこで,本研究では楽器経験者と未経験者の話題の共有を支援することを目的とし,演奏者・視聴者ともに楽しめるシステムを開発しています.
2システム概要
ギターエフェクターによる音色の変化を可視化するシステムです. 従来の音楽可視化システムのような抽象的な表現ではなく,具体的なアニメーション表現を用いて音色の変化を可視化します.
映像出力部分と音の出力部分は完全に独立させ,演奏者への負担を減らしています.(図1) 可視化する対象のエフェクトは8種類です.(表1)これらを選んだ理由は,実際のギター演奏での使用頻度が高く, また音で聞いたり口で説明されただけでは違いが分かりにくいエフェクトであるためです.
図1. システム構成イメージ |
---|
表1. 対象エフェクター |
---|
3提案手法
8つのエフェクトそれぞれに合ったアニメーションを作成し,それぞれにキーを割り当てます.(図2) 次に,演奏されている音を聞き,その音に使用されているエフェクターに割り当てられたボタンを押すことで,映像を出力します. エフェクトを複数重ね掛けしている場合は,使われているエフェクトのアニメーションがすべて表示されます.(図3)
図2. キー割り当て例 |
---|
図3. 映像出力例 |
---|
連絡先
- 進藤 綺乃:s195030 at sys.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp