1背景と目的
今日,在日外国人が年々増加しており,日本国内における対面での異文化間コミュニケーションの機会が増加しています.しかし,対面での異文化間コミュニケーションにおいてそれぞれの人間が持つ文化背景が異なるため,相互理解が困難であるという問題があります.
そこで本研究では,文化的な背景がもたらす知識の差を補うために,会話中の名詞を可視化する対面型異文化間コミュニケーション支援システムの開発を行っています.
2対面型異文化間コミュニケーション支援システムiGengo
(1) 概要
対面型異文化間コミュニケーション支援システムiGengoは,図1のようにユーザが会話中に発言した名詞に画像などの情報を付与することによって可視化します.それにより,話題に関する理解を促し,対面での異文化間コミュニケーションにおける相互理解の支援を目指します.
図1.システム概要 |
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(2) 想定場面
iGengoは,日本人と外国人が日本語で会話を行う場面を想定しています.例えば,日本人学生の方が外国人留学生の方に日本の伝統文化を紹介するような場面で利用されることを想定しています.
(3) 構成
iGengoは,図2のようなシステム構成になっています.ユーザが発言した名詞が情報付与サーバに送信され,インターネットを介して外部のサービスから付与する情報を取得してきます.そして,その情報をシステム画面に反映することにより,会話の話題になっている事柄に関する情報をユーザは見ることができます.
図2.システム構成 |
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(4) インタフェース
iGengoは,操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイを利用しています.システムの操作の流れを図3のデモムービーで紹介をします.
図3.システムデモ |
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3今後の課題
今日,在日外国人が年々増加しており,日本国内における対面での異文化間コミュニケーションの機会が増加しています.しかし,対面での異文化間コミュニケーションにおいてそれぞれの人間が持つ文化背景が異なるため,相互理解が困難であるという問題があります.
そこで本研究では,文化的な背景がもたらす知識の差を補うために,会話中の名詞を可視化する対面型異文化間コミュニケーション支援システムの開発を行っています.
口頭発表
- 岡本健吾,吉野孝:可視化した会話中のキーワードを用いた対面型異文化間コミュニケーション支援システムの開発,FIT2009 情報科学技術フォーラム,第3分冊,pp.393-396(2009)
- 岡本健吾,吉野孝:音声認識を用いた対面型異文化間インフォーマルコミュニケーション支援システムの開発,電子情報通信学会,人工知能と知識処理研究会, Vol.2009 No. 41, p.1-6 (2010).
連絡先
- 岡本 健吾:s115017 at sys.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp