デモムービー(音声が流れます)
背景と目的
日本は地震が多発する地域にあり,その被害は甚大です.2011年には東日本大震災,2016年には熊本地震が発生し,大きな被害がもたらされました.
被害を軽減させるためには防災教育が必要であるのと同時に,日ごろから自分たちが暮らしている環境に対する防災行動を考えていく必要があります.
そこで本研究では,災害対策の意識を喚起させることを目的としたVRシステムを開発しています.
「被災疑似体験」を繰り返すことで,利用者の意識に強く働きかけます.同時に,普段利用者が行っている災害対策について再検討してもらう機会を示し,人々の防災意識を高めることを目的とします.
図1にシステムに用いた映像セットを示しています.この映像セットをもとに被災疑似体験を行ってもらいます.
図1. 映像セット |
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なかもんR
図2にシステムのシナリオを示します.
図2. システムのシナリオ |
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本システムで用いる映像は,図1に示すシナリオA,B,Cの順に進行します.システムの長さは3分50秒です.
①利用者は防災対策のなされていない寝室で就寝.
②地震が発生
③利用者は家具転倒の下敷
④時間が巻き戻る
⑤店に向かい防災グッズを購入
⑥家具転倒防止対策を実施
⑦地震が発生
⑧火災が発生
⑨時間が巻き戻る
⑩火災対策を実施
⑪地震が発生
⑬津波に遭遇
この繰り返すシナリオを通して,本システムは家庭で行える災害対策を示すと同時に,対策を行ったとしても,他の原因によって被害を受ける可能性があることを示します.
システムの使用方法
本システムはHMDによる360度映像で,利用者に被災疑似体験をしてもらいます.図3にシステムの使用例を示します.
①アプリケーションが入ったスマートフォンをHMDにセット
②利用者はスマートフォンに接続したHMDとヘッドフォンを装着
図3. システム使用例 |
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口頭発表
- 中本涼菜,谷岡遼太,吉野孝:VRを用いた被災体験とその対策を繰り返すことによる防災教育システムの提案,G-28,pp.1–6(2017).
- 中本涼菜,谷岡遼太,吉野孝:VRを用いた被災疑似体験とその対策を繰り返すことによる防災教育システムの提案,日本災害情報学会,pp.1–2(2017).
連絡先
- 中本 涼菜:s185031 at center.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp