デモムービー(音声が流れます)
地震体験システムに関する研究
背景と目的
地震が起きると家具が転倒し,その下敷きになってしまう恐れがあります.それにも関わらず,家具転倒防止対策と言った地震対策を怠っている家庭があるのも現状です.
起震機によって地震を体験することはできますが「揺れ」を体感することはできても,それが実際に防災対策をする意識づけとなるには不十分です.
そこで本研究では,家具転倒防止対策の意識を喚起させることを目的としたVRシステムを開発しています.
家具転倒防止対策がなされていない室内にいる時の危険性を強調したムービーを用いて,地震の危険性を伝えます.
図1に従来の地震体験システムと,提案手法を用いた地震体験システムの比較を示します.本研究では,起震車上でVR体験をしてもらうことを想定しています.
図1. 地震体験の比較 |
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なかもん
本システムはHMDによる360度映像で,利用者に家具転倒の下敷きとなる恐怖体験をしてもらいます.図2に示すようにサーバーを経由して,複数人が同時にシステムを利用することができます.
図2. システムの流れ |
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図3にシステムの映像セットを示します.この映像はUnityを用い,寝室をイメージして作成しました.
図3. 映像セット |
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図4にシステムの実行画面を示します.システムを実行すると地震速報音が鳴り,利用者は家具転倒の下敷きになります.
図4. システム実行画面 |
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視覚面では地震時の家具転倒の危険性を演出し,視点を変えることができます.
聴覚面では地震時の効果音を演出します.
以上により,家具転倒防止対策がなされていない室内の危険性を強調します.
システムの使用方法
①アプリケーションが入ったスマートフォンをHMDにセットする
②利用者はスマートフォンに接続したHMDとヘッドフォンを装着する
③システム操作側が実行ボタンを押す
④システムが実行し地震が発生する
図4. システム使用例 |
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口頭発表
- 中本涼菜,吉野孝,今西武:VRを用いた防災教育のための地震体験システムの開発,情報 処理学会関西支部,D-08,pp.1–5(2016).
連絡先
- 中本 涼菜:s185031 at center.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp
- 今西 武