1 背景と目的

整理整頓をする際に,身の周りの物をすぐに適切に片付けることが難しく苦労して手間がかかることがあります.また,間違った場所に片付けてしまうともう一度整理し直す手間が必要となります.

研究室などで書籍が大量に置かれている本棚を整理するときにも,この書籍はどのカテゴリに属するのか,所有者が誰かを悩んですぐに整理対象となる書籍を適切なカテゴリに分類するのが難しいという問題が発生します.

そこで,身近にある書籍を整理する際に発生する問題に焦点を当てて,短時間で効率よく整理できる手法が必要となると考えられます.

本システムでは,書籍の表紙に枠線の色を重ねて表示し,枠線の色ごとに書籍の分類をすることにしました.身近でよく使用する書籍を対象として,同じ分類に属する書籍を同じ色で提示して整理の支援を行う手法を提案します.

2 システムの概要

図1に,本システムの構成を示す.本システムはカメラを搭載したタブレット端末やスマートフォンのブラウザ上で動作します.また,本システムは画像の中にある書籍を検出するために,オープンソースのコンピュータビジョン向けライブラリであるOpenCVを用いました.

システムの構成図
図1.システム構成図

3 システムの機能

(1)書籍の検出

ユーザはカメラを用いて整理対象となる書籍の表紙を表示して撮影を行います.システムが撮影された画像にOpenCVを用いて,書籍を検出します.

(2)色による分類

画像認識により検出された書籍を色で分類 します(図2).

システムの機能
図2.色の属性例

(3)提示手法

図3のように,システムがマッチングした表紙画像からラベルを取得して所有者を判別します.ラベルの色でマッチングした書籍の場所を囲みます.これにより,ユーザはシステム側が提示した色で直感的に書籍の所有者を発見し,効率よく書籍を整理をすることができます.

システムの機能
図3.利用例

4 デモムービー

 

 

参考文献・発表

  1. 本信 敏学,吉野 孝: 色を用いた提示手法による整理支援システムの提案,情報処理学会第80回全国大会,5ZB-05,第4分冊,pp.325-326(2018-03).

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