1背景と目的

近年,拡張現実感(AR: Augumented Reality)を用いたシステムが増加しています.例としてセカイカメラがあげられます.しかしながら多くのシステムでは,注釈付与などの間接的なコミュニケーション支援が主な目的となっています.非リアルタイムに情報を残したり,実空間と関連づけた情報を提供するといったものです.

本研究では,直接的なコミュニケーションとして,ARを用いた対面コミュニケーションを支援します.相手に伝わりづらい表現をオブジェクトとして可視化し,相手にわかりやすく伝えます.

2AReTalk

AReTalkではARを用いて対面コミュニケーションを行います.ユーザはお互いにWebカメラを取り付けたHMD(ヘッドマウントディスプレイ)と,オブジェクトの出現位置決定用マーカを装着します.ハンドジェスチャによってオブジェクトを出現させることができ,お互いにオブジェクトを出現させながら会話をすることができます.

システムの構成 会話の様子
図1. システムの構成 図2. 会話の様子

3出現するオブジェクトの種類

出現するオブジェクトは5種類で,ハンドジェスチャによって立てる指の数に対応しています.

出現するオブジェクト
図3. 出現するオブジェクト

4指の認識

指の認識は以下のような流れで行います.

  1. Webカメラから映像を取得
  2. 映像から肌色部分を検出
  3. 肌色部分から指を認識
  4. 指の数に応じて,オブジェクトを出現
指の認識
図4. 指の認識

対外発表

  1. 倉長拓海,吉野孝:拡張現実感技術を用いた対面コミュニケーションにおける感情表現および話題提供システムの開発,FIT2010 情報科学技術フォーラム,第3 分冊,pp.249-250(2010).

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