背景と目的

近年,無料でビデオチャットを行えるサービスが普及してきており,これにより遠隔地の人の間で多く用いられるようになりました. 最近では,公共交通機関を利用する際に問題となっていた,通勤にかかるエネルギーや移動費の削減や,流行病の感染防止の有効な手段として仕事に用いることが推進されてきています.

しかし,仕事でビデオチャットを使う(以下テレワークと呼称)場合にも問題は存在します. 例えば,会社がスーツを着用することを規定としており,会議などをする際にテレワークをしている人だけが家で私服を着ている場合,どうしても会社と家とでは違和感が生まれてしまいます. さらに最近はいくつもの仕事を同時並行する人も増えてきました.そんな人にこそテレワークは有効だと考えられますが,必要な時間に合わせてビデオチャットの接続を切り替える必要があったり, 仕事場所の間で服装の取り決めが大きく異なれば,違和感を生んでしまいます.

そこで,本研究では各遠隔地に適した形で常にビデオチャットすることができることを目的とするセパレトークの開発を行っています.

分散遠隔会話システム セパレトーク


イマミラー2のイメージ
図 1. セパレトークのイメージ


あらかじめ自分が映った,対話したい遠隔地と近い環境の写真を撮り, 遠隔地のディスプレイ上に表示します.会話をする際は,リアルタイムの自分の映像をwebカメラで撮り,通信して対話相手側に用意しておいた写真に重ね合わせます(図1).

システム機能

(1) 複数地点と接続する側から見た映像

図 2

常にすべての接続先に対応できるように,すべての接続先から,音声映像ともに24時間リアルタイムで送られてくるようになっています.(図2).

(2) 複数地点接続しない側から見た映像

対話対手側に映像をそのまま表示せず,接続地点間の環境の違いによる違和感をなくすため,あらかじめそれぞれの接続先でとっておいた写真に,リアルタイムの自分の顔の映像を重ね合わせます.

デモムービー



各環境において,各環境にあった服装をした自分を表現できます.複数ある遠隔地との通信を柔軟に切り替えることができます.

参考文献・発表

  1. 河島 健司, 吉野 孝:対話環境に適した映像利用による分散遠隔存在感の表現,情報処理学会第80回全国大会, 7ZA-06, 第4冊分, pp.295-296(2018-03).

連絡先

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