1 我々の本質とは何か
2020年現在,コロナウイルスの影響で仕事や教育など様々なところで作業の遠隔化の波が押し寄せている.実際に,遠隔会議や遠隔授業を実施している会社,教育機関などが増加してきている.また世の中の遠隔化が進む一方で,家の中を見られたくない,顔を見られたくないといったプライバシーの問題が存在する.近年では,人の映像のみを抽出し,バーチャル背景と合成して表示したり,またバーチャルアバターを代替的に活用したりすることで,プライバシーの問題を解決している.私は,「合成背景→バーチャルアバター→?」という風に,ユーザ自身を代替するアバターというモノがバーチャルではなく,よりリアルな要素をもったモノに変化していくのではないかと考える.例えば,あなた方が身に着けている衣服,眼鏡,腕時計,または日常的に使うマグカップなど,あなた方自身では無いが,あなた方自身の趣味嗜好などが反映されえており,相手があなた方だと認識できるものは数多く存在する.私は,最初の代替段階として,家庭に放置されがちな人形に着目する.人形は昔から子供の遊び道具であり,人形遊びといった子供同士のコミュニケーションツールとしても活用されてきた.
そこで,私はテレコミュニケーションに人形遊びの要素を取り入れた映像コミュニケーションツールを作ってみた.
2 システム構成
図1にシステム構成を示す.
~システムの処理の流れ~
(1)Kinect V2で人形操作映像をキャプチャー
Kinect V2は上部からユーザの手元が映るように設置されている.
(2)遠隔地への人形操作映像転送.
UDP通信でキャプチャーした人形操作映像を遠隔地同士で共有する.
(3)遠隔地のユーザの人形操作映像の表示
プロジェクターを通して,机上に遠隔地ユーザの人形操作映像を表示する.
図1.システム構成図 |
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3 デモムービー
参考文献・発表
- 長谷川 駿,吉野 孝:遠隔会話におけるアウェアネス向上のためのプライバシーを考慮した実物体の操作映像情報共有システムの提案,2019年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (2019).
連絡先
- 長谷川 駿 :s206202[at]wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝 :yoshino[at]wakayama-u.ac.jp