1背景と目的
近年,SkypeやYahoo!メッセンジャー等の無料でビデオチャットを行えるツールが普及し,容易にビデオチャットが利用出来るようになりました.しかしビデオチャットでは対面の会話に比べ距離感を感じてしまうことや,ビデオチャットに抵抗感を持ってしまうことが問題としてあります.
そこで本研究では,ドラえもんの通り抜けフープのようなインタフェースで,あたかも壁に穴があいたような映像を表示させるシステム“壁穴フープ”を開発しました.
2壁穴フープ
壁穴フープはフープチャット側と壁穴チャット側の遠隔2地点で通信を行うシステムです.壁穴フープは映像の表示にフープを用います.
フープチャット側ではユーザはフープを壁に掲げて映像を表示させます.また,壁穴チャット側では,フープチャット側から作られた穴のような映像が表示されます.
図1. 壁穴フープのシステム構成 |
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使用機器
フープチャット側
フープ認識用Web カメラ:ユーザが使用するフープを撮影し,フープの情報を取得しています.ユーザ撮影用Web カメラ:フープに取り付けられ,フープチャット側のユーザの撮影に使用しています.
プロジェクタ:映像の投影に使用しています.
フープ:映像の投影位置の決定に使用しています.ユーザ撮影用Web カメラを取り付けられています.
フープチャット側PC:ユーザの映像の送受信に使用しています.フープの画像認識,フープの形に合わせた画像処理を
行っています.フープデータを送信しています.
壁穴チャット側
ユーザ撮影用Web カメラ:壁穴チャット側のユーザの撮影に使用しています.プロジェクタ:映像の投影に使用しています.
壁穴チャット側PC:ユーザの映像の送受信に使用しています.フープデータに合わせた画像処理を行っています.
3認識の流れ
フープチャット側では,フープ認識用Webカメラでフープを認識し.フープの内側に壁穴チャット側の映像を投影しています.プロジェクタの範囲を取得した後,以下の流れでフープの認識と映像の出力を行っています.
1)フープ認識用Webカメラから取得した画像を射影変換し,フープが正円になるようにしています.
2)変換した画像に対し,円を検出しています.
3)検出した円に合わせ,壁穴チャット側の映像の画像処理を行っています.
4)フープの内側に映像を投影しています.
図2. フープの認識から投影までの流れ |
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4デモムービー
口頭発表
- 藤田真吾,吉野孝:壁穴フープ:実世界指向インタフェースを用いた映像表示システム,FIT2009 第8 回情報科学技術フォーラム第3分冊,pp.487-488(2009).
- 藤田真吾,吉野孝:距離感と抵抗感の減少を目指したフープ型ビデオチャットシステム,グループウェアとネットワークサービス研究会,Vol.2010-GN-74,No.13,pp.1-6(2010).
連絡先
- 藤田 真吾:s115048 at sys.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp