吉野研究室(Yoshino Lab.)(コミュニケーションデザイン研究室)|和歌山大学 システム工学部 社会情報学メジャー

学生優秀発表賞:河島健司さん(大学院1年)

論文名:「プライバシーを考慮した常時遠隔会話のための会話状況判別手法の提案」

学会名等:2019年度 情報処理学会関西支部 支部大会

受賞日:2019年9月23日

  • 論文の概要
    • 近年,無料でビデオチャットができるソフトウェアやスマートフォンの普及により,容易にビデオチャットを行える環境が整ってきた. これにより,様々な形態の遠隔会話手法が研究されてきた. その一例として, 対話環境を半永続的に維持して行う遠隔会話の研究がなされている. 家族間で対話環境を維持し遠隔会話を行う場合,交換される間接的情報の種類によらず,偶発的に会話が発生することが分かっている. 同様に,複数の遠隔地間で対話環境を半永続的に維持する遠隔会話の研究がなされている. Portholesでは,複数地点間のリモートワークを可能にすることにより,コミュニティ意識の構築に役立つことが分かっている. しかし,遠隔地と半永続的にビデオチャットをする場合,プライバシーの問題が発生する. 特に,複数地点間で常時接続する場合,先行研究のVideoWindowでは,空間同士をそのまま接続しているため,誰が誰と何を話しているかが分かり,個人間の会話をシステム利用者全員が聞くことができるようになっている. そのため,気軽にインフォーマルな会話をすることができないという問題がある. また,プライバシー保護のため会話中に会話の様子を第三者に表示しないようにしてしまうと,プライバシーを保護した状況下でもアウェアネスが不明確であるため,対話先の状況が分からず,会話を遮っても問題ないと判断することが難しい. 今まで,複数地点間で常時遠隔会話をする時,プライバシーの保護の観点において,極端な手法が用いられていた. そこで,本研究では,対話内容を利用し,各遠隔地点のプライバシーレベルに合った会話状況判別機能を提供する.これにより,プライバシーを部分的に保護した状況下でも,各遠隔地点の状況を把握できる手法を提案する. これより,プライバシーを考慮に入れた状況下でも,第三者が各遠隔地点の状況を把握し,対象者に話しかけるきっかけを作ることができると考える.
  • 提案手法の概要
  • 提案システムの構成のスライド
  • 発表時の様子
  • 発表時の様子
  • 受賞時の様子1
  • 受賞時の様子1
  • 受賞時の様子2(賞状を持っている方が河島健司君です)
  • 受賞時の様子2