研究紹介

訓点資料の読解支援

現在,古写経を中心とした文書の電子化,およびデジタルアーカイブシステムの構築が進められています.そういった試みから,日本の言語や文化を知るために活動が支援されつつありますが,漢文に送り仮名やヲコト点が付与された訓点資料においては,文書の翻刻(古文書や写本等を読める形式にすること)やそれを扱うシステムの提供が十分になされておらず,解読支援環境の整備が求められています.

そこで私たちは,訓点資料における解読支援環境の確立を目指し,訓点資料を対象とした翻刻支援システムの構築を行ってきました.システム構築にあたり,訓点資料が手書き文書であることや,訓点資料に含まれる多様な記述情報に対応する必要がありました.そこで,本システムでは訓点資料の記述情報を文字領域や点座標としてデータベースに登録できるようにし,情報間の関連付けを行うことで解決を図りました.また,座標情報を用いた記述情報の自動取得機能を導入して,入力の手間を省く試みを行いました.座標入力の方法として,HTML5 Canvasを用いた画像ベースのインターフェイスを実装することで,マウスを用いて資料画像上に入力する仕組みを実現することができました.

入力インターフェイス

キーワード

デジタルアーカイブ,訓点資料,翻刻,文字領域,Webアプリケーション

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