イントロダクション

アジア大都市の多くが河川下流の平野に立地しており、水田を転用する形で都市化が進む結果、郊外では宅地と農地が混在化する。こうした場所では、都市と農村が混在することのデメリットを最小化し、メリットを最大化する方策の提示が不可欠であるが、既存のアジア各国の都市計画制度では限界がある。

そこで本プロジェクトでは、アジア4都市で生物資源に着目し、都市農村間の資源の流れ、土地利用や資源処理施設などの空間分布を把握する。その後、地理情報システムを用いて資源循環効率を高め、かつ循環プロセスを通じて排出される二酸化炭素の総量削減にも寄与する都市農村混在型の土地利用計画を示す。

プロジェクト対象4都市(右上から時計回りに阪南・和歌山、マニラ、バンコク、天津)

プロジェクトの特色

これまで別個に議論されてきた資源の流れと土地利用情報を結び付ける方法論を発展させ、循環型社会と低炭素社会を調和的に実現する道筋を示す。成長段階の異なるアジアの4都市を事例とすることで、時間軸に沿った中長期的な土地利用シナリオを描くことができる。成果は分かりやすい地図として発信され、合意形成プロセス上での活用、環境教育への応用も可能である。

期待される成果のイメージ (after Hara et al. 2010)

メンバー(順不同)

基金について

基金名日本学術振興会 最先端・次世代研究開発支援プログラム グリーンイノベーション
期間2011年2月〜2014年3月
課題番号GZ005
課題名アジア沖積平野立地型都市郊外における循環型社会を基調とした都市農村融合と戦略的土地利用計画