第8回 統計地図


  1. 本日の講義の目的

    第8回で取り上げた国勢調査統計情報の図化を学習します。
    エクセルと連携した地図ソフト「MANDARA」の初歩的な使い方を学び、エクセル統計データの応用事例を経験してもらいます。

    【MANDARA】

    Geographic Information System (GIS) (地理情報システム)のフリーソフトウェア。埼玉大学の谷先生が開発。

    http://ktgis.net/mandara/

    エクセルとの親和性が高く、扱いやすい基本GISプログラムである。

    なお、より深く学びたい人は、以下の参考書を推薦する。

    「MANDARAとEXCELによる市民のためのGIS講座(新版)」谷謙二ほか編 古今書院 ISBN978-4-7722-4107-6 2600円


    【GIS】
    コンピュータ上に地図情報や属性情報を持たせ、作成・保存・利用・管理し、地理情報を参照できるように表示・検索機能をもったシステム。
    人工衛星、現地調査、統計情報から得られたデータを、空間・時間の面から分析・編集することができる。
    科学的調査、土地・施設・道路など地理情報の管理、都市計画などに利用される。


  2. MANDARAの起動とシェープファイルの取込

    WindowsプログラムからMANDARAを起動します。

    「ファイル」→「シェープファイル読み込み」


    【シェープファイル】GISにおける汎用フォーマットの一つ。いくつかのファイルの組み合わせからなる。
    今回は前回の講義でe-Statよりダウンロードした4つのファイル、
    h17ka30201.shp
    h17ka30201.shx
    h17ka30201.prj
    h17ka30201.dbf
    で1セット。

    前回ダウンロードした「h17ka30201.shp」を選択、読み込み。
    その後、「編集」→「マップエディタ」


    和歌山市の地図が表示されます。
    GISでは、地図上の図形(今回は和歌山市内の各地区)に、属性(人口、面積、建坪率などの社会情報や、地質、緑被などの自然情報)が割り振られる構造になっています。


  3. 属性の編集とエクセルからの追加

    マップエディタで、「編集」→「初期属性データ編集」、属性テーブルを表示します。



    610行あることが分かります。これは、「h17ka30201」データのデータ行数と、同じ順番で一対一対応しています。

    前回の講義で使用・加工した、「h17ka30201」ファイルを開いてください。611行(最初の行は凡例なので、データは計610行)まであるはずです。

    A列を新規挿入し、A1にIDと入力、A2以下連番を振ってください。



    これにより、MANDARAのマップエディタにおける初期属性との対応がつきます。
    この後、A列およびB列の2行目~611行目までコピーしてください。

    MANDARAのマップエディタに戻り、「編集」→「オブジェクト名関係」→「オブジェクト名一括変換」

    以下のように聞かれるので、「はい」を選択。これにより、エクセル上でコピーした内容に基づいて、属性が変更されます。




    マップエディタで属性テーブルを開くか、任意の地区を選択してオブジェクト名を表示してみてください。
    前回の講義から一貫して使用してきた共通統一指標「KEY_CODE」が表示されるようになりました。




    最後にもう一つ修正を加えます。例えば加太地区については、二つの島(友ヶ島&地ノ島)が独立した図形として描かれるため、今のままでは加太地区の属性が3つに分割されてしまっています。
    マップエディタで、「編集」→「オブジェクト名関係」→「同一オブジェクトのオブジェクト名を結合」
    これで全ての地区に一意的にKEY_CODEが割り当てられました。

    「共通指標に基づいた一対一対応」が統計地図の全ての基本です。


    マップエディタの「ファイル」→「名前をつけて保存」で、ファイル名を『和歌山市』として、各自の情報処理のフォルダに保存します。


  4. 地図化作業

    前回の講義で作成した、「tblT000050C30201」を開いてください。
    まずはシートを複製します(素データを全選択し、新しいシートを作成して値を選択して貼り付ける)。
    その後、MANDARAで読み込む基本形式に加工します。以下のように、A1セルに「MAP」、B1セルにファイル名「和歌山市」、A2セルに「TITLE」、A3セルに「UNIT」と入力します。
    (ファイルは定期的に保存してください)



    いよいよ最後の段階です。上の表で入力されている全セルを選択し、コピーします。
    その後、MANDARAを起動、「クリップボードからデータの読み込み」を選択します。地図を描画してみてください。




    【参考】Google EarthのKML形式でエクスポートできます。





    【提出物】
    MANDARAで描画した地図を、BMP形式で出力・保存し、ファイル提出システムで提出する。
    〆切は講義中に指示する。