abstract
表紙写真

No.9  IT活用による生活向上の可能性

代表研究者 糀谷昭治(和歌山社会経済研究所研究部長)
2003年5月発行  A4判/81ページ

  1. 一般住民の社会生活の向上とは、「安全で衣・食・住・健康など生活の心配が将来的にも無く、物質的にも精神的にもより豊かな生活をより確実におくることが出来る」ようになることであろう。
  2. このためには、社会生活の基盤となる雇用・年金・健康保険などがしっかりと保証されていることが必要である。しかし、経済成長を前提とした雇用・年金・保険などの基本システムが破綻をおこしてしまっている。
  3. この根本的な対策は、遅々として進まない「聖域なき構造改革の推進と実現」にある。真の構造改革が進まなければ、如何にITを活用しても一般住民の社会生活は向上するどころか逆に低下することになっていくであろう。
  4. 日本型システムが制度疲労を起こした根本原因の一つは情報の独占にあるので、大量情報を大量対象に同期的に伝達でき、同時に双方向性があるため情報の共有化能力を持つITを最も有効な手段として用い、構造改革を進めることが「一般住民の生活向上実現」の重要なカギとなる。